大阪市東住吉区・桑津の町に、静かに佇む京善寺(きょうぜんじ)。
「くわづ不動さん」と親しまれるこのお寺は、近畿三十六不動尊霊場の第4番札所、摂津国八十八箇所第41番札所として、古くから人々の祈りを受けとめてきました。
ご本尊である不動明王に手を合わせると、心の奥にある不安や迷いが、すっと静まっていくような感覚に包まれます。
都会の喧騒から少し離れて、静かな力にふれる時間──。
京善寺でいただいた祈りのひとときをご紹介します。
それでは、京善寺へ参りましょう。
歴史と由緒
京善寺は、もともと「金剛院」として創建された寺院でした。
その後、大坂夏の陣(1615年)で焼失し、承応2年(1653年)に現在の地に再建され、「京善寺」として新たな歩みを始めます。
ご本尊の不動明王は、紀州・根来寺の不動堂と同木同作と伝えられ、厄除け・身代わりの祈りを受けとめる尊像として、地域の人々に深く信仰されてきました。
また、「木造 役行者 倚像」は、大阪市指定有形文化財にもなっており、修験道の歴史を今に伝える貴重な仏像です。
近畿三十六不動尊霊場の第4番札所、摂津国八十八箇所の第41番札所としても知られ、巡礼者の祈りが静かに積み重ねられてきた京善寺。
京善寺には、時を超えて受け継がれてきた祈りの重みと、地域に根ざしたやさしさが息づいています。
見どころ
手水舎
本堂
御本尊は不動明王。
扉を開けて、本堂内でお参りさせて頂きました。
本堂の上方左右に、美しい白龍が描かれています。
本堂の前にある仏足石
護摩堂
護摩堂の中に入り、お参りさせて頂きました。
中央には不動明王、左手には蔵王権現、右手には役行者がいらっしゃいます。
護摩堂の横には身代わり厄除不動明王
水子地藏尊
福龍さん
このお社の前で、近畿三十六不動尊を巡礼されたおじさまと一緒になり、このお社が「幸せを呼ぶ福龍さん」であることを教えて頂きました。
その後、社務所でお寺の方から「福龍さん」のお話をお伺いしました。
この「福龍さん」は、土地を守って下さっている「みいさん」であるそうです。
今の場所に至るまで、数回お社を移しておられるそうなのですが、お社を動かす度に、蛇がどくろを巻いているような砂跡が残っていたのだそうです。
みいさんがおられた証ですね。
きっと、今もこのお社の下に・・・。
護摩堂の前に座り、「福龍さん」をぼーっと見ていると、緑色の大きなトンボが飛んできて、私の前で暫くホバリングして戻って行き、また飛んで来て、私の前で暫くホバリングして・・を何度も繰り返していました(笑))
「福龍さん」が面白い現象を見せてくれたようで、とても幸せな時間を頂きました。
御朱印・札所めぐり
京善寺は、近畿三十六不動尊霊場の第4番札所、そして摂津国八十八箇所の第41番札所として、多くの巡礼者が訪れる祈りの場です。
また、京善寺は「大阪メトロで行く六十六花御朱印巡り」の対象寺院でもあり、季節の花があしらわれた御朱印を授与して頂けることも。
秋にはコスモスの花が描かれた御朱印が登場し、色も数種類から選ぶことができます。

京善寺で拝受したコスモスの花御朱印(水色バージョン)
今回いただいた花御朱印は、「Osaka Metroで行く六十六花御朱印巡り」の一枚です。
この巡礼については詳しくまとめていますので、下記からぜひご覧ください。
アクセス
【所在地】大阪府大阪市東住吉区桑津3丁目21-9
【札所等】近畿三十六不動尊第4番、摂津国八十八箇所第41番
【交通アクセス】近鉄南大阪線 河堀口駅より南東へ徒歩8分、JR阪和線 美章園駅より東へ徒歩9分
心に灯る祈りのあとで
桑津の町に佇む京善寺は、不動明王への祈りと静かな時間を届けてくれるお寺でした。
本堂で手を合わせ境内を歩いていると、日々のざわめきが少しずつ遠ざかり、心の奥にやさしい力が灯っていくような感覚に包まれます。
近畿三十六不動尊霊場、摂津国八十八箇所霊場の札所としての歴史と、地域に根ざした「くわづ不動さん」としての親しみ──。
その両方が重なり合う京善寺は、祈りの道を歩む人にとって、静かな寄り道のような場所かもしれません。
巡礼シリーズ「OsakaMetroで行く六十六花御朱印巡り」で訪れた寺院の中から、いくつかご紹介します。
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◆竹林寺
◆日限地蔵院
◆真光院
◆出雲大社大阪分院
◆愛染堂勝鬘院
よろしければ、六十六花御朱印巡りシリーズも覗いてみてくださいね。
👉シリーズ記事のまとめはこちらから