大阪市北区・豊崎の住宅街に佇む源光寺(げんこうじ)。
「OsakaMetroで行く六十六花御朱印巡り」の最後の一社として訪れたこのお寺は、静かな街の中に、長い歴史と祈りの光がそっと息づいていました。
いただいた花御朱印には、巡礼の終わりにふさわしいやさしい彩りが添えられていて、その一枚に、これまでの旅の記憶と祈りがそっと重なっていくようでした。
六十六社を巡る旅のなかで、何度も手を合わせ、季節の花に心を寄せてきた日々。
その終着点に立ったとき、静けさの中に、祈りの光がやさしく満ちていました。
それでは、源光寺へ参りましょう。
目次
源光寺とは|光あまねき法のともしび
源光寺は、大阪市北区豊崎にある浄土宗の古刹。
その創建は奈良時代・天平19年(747年)、聖武天皇の勅願により、行基菩薩が開山したと伝えられています。
当初は「平生寺」と称されていましたが、後に法然上人がこの寺を訪れ、「源を はづねてぞ知るこの寺の 光あまねき 法のともしび」と詠んだことから、源光寺と改められました。
本尊は阿弥陀如来。
堂内には、大阪府指定文化財「阿弥陀来迎図」も安置されており、浄土宗の教えとともに、祈りの光が今も静かに息づいています。
境内には、北向地蔵尊や観音像も祀られ、都会の中にありながら、祈りの場としての静けさが保たれている場所です。
境内を歩く|祈りの光と、静かな佇まい
源光寺の境内は、都会の喧騒から少し離れた住宅街の中に、静かに佇んでいます。
山門が閉じられていたので、横の通用口から中に入らせて頂きました。
本堂
扉の奥に祀られている阿弥陀如来さまは、直接お顔を拝することはできませんでしたが、その静かな気配に手を合わせると、六十六社を巡る旅の記憶が、静かに胸に満ちていくようでした。

落ち着いた瓦屋根と、静かに佇む本堂。阿弥陀如来のやさしさが、そっと心に届きます。
北向地蔵尊
境内には、北向地蔵尊が祀られています。
北向きに立つその姿は、災厄を祓い、道を照らす存在として、地域の人々に親しまれてきたそうです。

やさしい表情で北を向くお地蔵さま。
三十三度石
北向地蔵尊の前には、西国三十三所観音霊場への信仰に由来する「三十三度石」が静かに佇んでいます。
お百度参りの石柱はよく見かけますが、三十三度石は比較的珍しく、源光寺の歴史と信仰の深さを感じさせてくれます。
三十三度石は、実際に西国三十三ヶ所を巡ることが難しい人々のために、一つの寺院で三十三回参拝することで同じ功徳が得られるとされる信仰の象徴です。
石柱の前に立つと、そこには音も言葉もない静けさが広がっていて、ただ祈ることの意味だけが、心に残るようでした。

西国三十三所への祈りをこの場所で静かに重ねるように。信仰のかたちが息づいています。
観音像
境内には観音像もあり、やさしく光をたたえていました。

手を合わせると、心の奥に静けさが広がっていくような、やさしい存在感。
鐘楼
境内の一角にある鐘楼は、巡礼の終わりにふさわしい余韻を添えてくれました。

鐘はただそこに在るだけで、巡礼の終わりをやさしく見守っているようでした。
境内は祈りの場としての静けさが保たれていて、阿弥陀如来の光に包まれているような、そんな優しい時間が流れていました。
花御朱印と結願の記憶|やさしい彩りに包まれて
源光寺は、「OsakaMetroで行く六十六花御朱印巡り」で訪れた旅の最後の一社。
ここでいただいた花御朱印には、「天筆如来」の御名が記されていました。
この「天筆如来」とは、源光寺に伝わる阿弥陀如来の尊称。
かつて播州加古の念仏堂に安置されていた尊像を、法明上人が霊告によって授かり、その帰路、海上で嵐に遭った際に尊像を開帳すると波が静まり、無事に帰帆できたという奇跡が伝えられています。
その霊験から「天筆如来」と呼ばれ、今もなお、深い信仰を集めています。
六十六社をめぐる旅は、ただ御朱印を集めるだけではなく、それぞれの寺社で「祈りのかたち」に触れる時間でもありました。
源光寺の花御朱印は、そんな旅の終わりにふさわしい、やさしい祈りの記憶です。

天筆如来の花御朱印。六十六社をめぐる旅の記憶と祈りが、そっと重なっていくようでした。
👉 「OsakaMetroで行く六十六花御朱印巡り」まとめ記事はこちら
アクセス
【所在地】大阪府大阪市北区豊崎2丁目3−23
【最寄り駅】大阪メトロ谷町線「中崎町駅」下車、4番出口から徒歩約10分
【札所等】大阪新四十八願所阿弥陀巡礼二番札所
まとめ|祈りの終着点で、静けさに包まれる
「OsakaMetroで行く六十六花御朱印巡り」の旅の終着点として訪れた源光寺。
境内の静けさ、扉の奥に祀られた阿弥陀如来の気配、そして花御朱印のやさしい彩り─。
そのすべてが、祈りの時間をそっと包み込んでくれるようでした。
「天筆如来」と記された御朱印を手にしたとき、それはただの記念ではなく、祈りの記憶そのものとなって、心に残りました。
源光寺は、華やかさよりも、静かな余韻を大切にしたい方にこそ訪れてほしい場所です。
巡礼の終わりに、そっと深呼吸をするような──そんな時間が、ここにはありました。
巡礼の最後が源光寺でよかった。
「OsakaMetroで行く六十六花御朱印巡り」を主催して下さった(株)和空プロジェクトさんに感謝致します。
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