「Osaka Metroで行く六十六花御朱印巡り」で、ご縁をいただいた大阪市にある清水寺。
天王寺の坂道を登った先に、風が通り抜ける舞台と滝の音に包まれる静かな空間が広がっていました。
京都の清水寺を模して再建されたこのお寺は、江戸時代に延海阿闍梨によって中興され、聖徳太子作と伝わる千手観音像を本尊として祀る、深い歴史を持つ場所でもあります。
今回は、寺社好きな女性におすすめしたい、癒しと静けさに満ちた御朱印めぐりのひとときをご紹介します。
目次
都会の坂の上に、静けさが待っていた
「Osaka Metroで行く六十六花御朱印巡り」でご縁をいただいたのが、大阪市天王寺区にある清水寺。
天王寺七坂のひとつ「清水坂」をゆっくりと登っていくと、街の喧騒が少しずつ遠ざかり、風の音と緑の気配が近づいてきます。
坂の上に現れるのは、かつては三方を崖に囲まれていたと伝わる静かな境内。
都会の真ん中とは思えないほど、空気が澄んでいて、深呼吸したくなるような場所です。
この日は、舞台の上を通り抜ける風と、滝の音が私の心をほどいてくれるようでした。
清水寺は、京都の清水寺を模して再建されたお寺。
江戸時代の寛永17年(1640年)、延海阿闍梨によって中興され、聖徳太子作と伝わる千手観音像を本尊として祀っています。
「新しい寺社」としての清水寺は、歴史の深さと再生の力を感じさせてくれる、そんな場所でした。

天王寺七坂のひとつ「清水坂」。寺社好きな女性におすすめの癒しの参道。
谷町筋を歩いていると、「風除風天尊」と刻まれた小さな石碑があるのを見つけました。
風邪除けの風天尊が祀られている清水寺への道案内のしるしです。
仏教における風天(ふうてん)は、風を司る天部の神であり、健やかな暮らしを守る存在とされています。
清水寺に安置される風天尊は、昔から船乗、漁夫、建築師、農薬等の信仰篤く、一般の家庭にても風邪除に、或は感冒に罹った人々の風気を払うために信心されています。
清水寺では毎年「風邪除け風天尊祭」が行われており、今も変わらず静かな祈りが続いています。
「風除風天尊」と刻まれたその祈りのしるしは、道の途中にそっと置かれた優しさのようでした。

谷町筋で出会った「風除風天尊」の石碑。祈りの気配がそっと道を包んでいるよう。
谷町筋沿いにあるもうひとつの静かな祈りの場所へ。
縁結びや愛嬌開運で知られる【愛染堂(勝鬘院)】も、すぐ近くにあります。
風天尊の石碑と同じように、道の途中でふと祈りに出会える場所です。
👉愛染堂勝鬘院(大阪市) 縁結び・良縁成就・商売繁盛にご利益あついパワースポット!【御朱印】
風が通り抜ける舞台と、滝の音に包まれる癒し空間
境内に足を踏み入れ少し歩いて行くと、まず目に飛び込んでくるのが、京都・清水寺を模して造られた「清水の舞台」。
木造の舞台は崖の上にせり出すように建てられていて、そこに立つと風が頬をなでるように通り抜けていきます。

清水の舞台から見えるビルの街並み—祈りと日常が重なる不思議な眺め。
清水の舞台を歩いていくと、端の方に「平和の鐘」があります。
風が通り抜けるその場所に、祈りの音がそっと響く・・・。
清水寺の静けさを象徴するような存在です。

大阪・清水寺の舞台にある平和の鐘。風とともに祈りが響く場所。
舞台の南側には、「玉出の滝」と呼ばれる天然の滝が流れています。
大阪市内で唯一の自然の滝とされていて、その水音は境内全体にやさしく響き渡ります。

都会の中にひっそりと流れる癒しの水音—清水寺「玉出の滝」。
滝の奥には不動明王と八大竜王神が祀られており、今も滝行の場としても使われているそうです。
水の音、風の気配、木々の揺れ。
それらが静かに重なり合って、心の奥にあるざわめきをそっと鎮めてくれるような空間でした。

滝の音に包まれて心がほどけていく。清水寺で出会った静かな時間。
私が訪れた日は、ちょうど新しい本堂が完成し、仏さまのお引越しの準備が進められている時期でした。
仮本堂は閉鎖されていましたが、その静けさの中に、再生の余韻と祈りの気配が感じられました。
お寺が新たな一歩を踏み出す、その瞬間に立ち会えたことが心に残っています。
現在は新本堂へお参りすることができます。
京都じゃない清水寺—大阪で出会う歴史と祈り
「清水寺」と聞くと、多くの人が京都・東山の名刹を思い浮かべるかもしれません。
でも、ここ大阪市天王寺区にも、もうひとつの清水寺が静かに佇んでいます。
このお寺は、江戸時代の寛永17年(1640年)、延海阿闍梨によって中興されたと伝えられています。
本尊の千手観音像は、聖徳太子の作とされ、京都の清水寺から迎えられたもの。
そのご縁から「新清水寺」と呼ばれるようになり、四天王寺の支院としても位置づけられてきました。
本堂は戦災で焼失しましたが、近年再建され、舞台や滝とともに「新しい寺社」としての姿を取り戻しています。
歴史の重みと、再生の力—。
その両方が静かに息づくこの場所には、祈りの時間が自然と流れているように感じました。

再建された清水寺の新本堂。静かな境内に新たな祈りの場所が生まれました。
寺社好きな女性におすすめしたい、御朱印の魅力
清水寺では、「Osaka Metroで行く六十六花御朱印巡り」に参加していることもあり、花をイメージした美しい花御朱印がいただけます。
私が訪れた日は、ちょうど新しい本堂へのお引越し準備のため、仮本堂は閉鎖中でしたが・・・。
その静けさの中で、御朱印帳をそっと開く時間は、心を整えるひとときになりました。
ありがたいことに、御朱印とともに「御影」もいただくことができました。
清らかな十一面千手観音さまのお姿が描かれた御影は、手のひらに乗せた瞬間、ふっと心が静まるような感覚に。
旅の記録としてだけでなく、祈りの余韻を持ち帰るような、そんな贈り物でした。

清水寺でいただける花御朱印と御影。寺社好きな女性におすすめの癒しの記録。
清水寺でいただいた花御朱印は、「Osaka Metroで行く六十六花御朱印巡り」のひとつ。
他にも沿線の寺社で、季節の花と祈りが重なる御朱印をいただくことができます。
詳しくは、巡礼の魅力をまとめたこちらの記事をご覧ください。
👉大阪メトロで行く花御朱印巡りの魅力と寺社一覧
また、清水寺は「新西国霊場」の札所でもあり、専用の御朱印もいただけます。
……といっても、実は花御朱印と新西国の御朱印、見た目はまったく同じでした。
思わず「双子かな?」と御朱印帳を見比べてしまったのは、ここだけの話です(笑)。
きっと、観音さまが「どちらも大切なご縁ですよ」と微笑んでくださっているのではないかと思います。

新西国霊場の御朱印。祈りの道が静かに御朱印帳に刻まれていく。
寺社好きな女性にとって、御朱印はただの記念ではなく、祈りの時間が重なる瞬間。
清水寺の御朱印は、そんな静かな時間をそっと手渡してくれるような存在でした。
清水寺は新西国霊場の札所のひとつでもあります。
巡礼の道は近畿各地に広がる三十八ヶ寺。それぞれに祈りと歴史があります。
他の札所については、以下の一覧記事で詳しくご紹介しています。
👉新西国霊場の札所一覧と御朱印情報
そっと深呼吸したくなる場所—清水寺で心を整える時間
清水寺の境内には、風や水音だけでなく、祈りと再生の時間が静かに流れています。
都会の中で、こんなにも静かに心を整えられる場所があることに、ふと感謝したくなるような時間でした。
そしてもうひとつ、忘れられないのが御朱印をいただく時に出会ったお二人の女性。
偶然社務所で出会い、自然と会話がはずみ、気づけば記念写真までご一緒に。
御朱印だけでなく、笑顔のご縁までいただけたことが、何よりの癒しだったかもしれません。
清水寺で過ごしたひとときは、祈りと静けさ、そして人との温かなつながりに包まれた、心に残る旅となりました。
清水寺はただの観光地ではなく、都会の中に静かに生き続けている「祈りの舞台」。
日々のざわめきから少し離れて、深呼吸したくなるような場所です。
このブログが、誰かの心にそっと寄り添う癒しのきっかけになりますように。
この祈りの記録を胸に、次は訪れるためのご案内へ─
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アクセス
【所在地】大阪府大阪市天王寺区伶人町5-8
【札所等】新西国三十三箇所客番、近畿三十六不動尊霊場第2番、摂津国八十八箇所第26番、大坂三十三所観音めぐり第25番
【駐車場】あり。
【交通アクセス】大阪メトロ谷町線 四天王寺前夕陽ヶ丘駅より徒歩約9分。
大阪の御朱印めぐり|心を整える祈りの寺社
日々の中で、ふと立ち止まりたくなる瞬間があります。
そんな時に訪れた寺社でいただいた御朱印は、祈りの記録であり、心を整える旅のしるしでもありました。
このページでは、私が大阪で出会った“静かな祈りの場所”をまとめてご紹介します。
大阪府で頂いた御朱印まとめ~神社編~
大阪府で頂いた御朱印まとめ~お寺編~