釈迦院の静けさに耳を澄ませたあと、港町の風に誘われるように向かったのが、三津神社(みつじんじゃ)でした。
大阪市港区夕凪に鎮座する三津神社は、江戸時代の明和5年(1768)、石田三右衛門が当地の開発を進める際に、工事の安全と成功を祈願して天照皇大神を勧請したことに始まります。
その後、田中産土神社と八幡屋住吉神社が合祀され、昭和7年に「三津神社」と改称されました。
三津神社は、三つの社が一つになった祈りの場所なのですね。
境内には、紅白の鳥居が並ぶ境内社や、しゃもじを手にした神様が祀られていて、ちょっとユニークであたたかい雰囲気のある神社です。
今回は、三津神社で出会った祈りのかたちと、御朱印旅のひとときを綴ります。
それでは、三津神社へと参りましょう。
目次
三津神社の由緒と港町の祈り
釈迦院の静けさに耳を澄ませたあと、港町の風に誘われるように向かったのが、三津神社でした。
この日は「大阪メトロで行く六十六花御朱印巡り」の一環として、港区の寺社をめぐる旅の途中。
御朱印をいただくだけでなく祈りの空気に触れながら、心の中にそっと彩りを重ねていくような時間でした。

大阪メトロで行く六十六花御朱印巡りで訪れた三津神社。大きな鳥居が港町の祈りの場へと導いてくれます。
三津神社は大阪市港区夕凪に鎮座する神社で、江戸時代の明和5年(1768)、当地の開発を進めていた石田三右衛門が、工事の安全と成功を祈願して天照皇大神を勧請したことに始まります。
その後、田中産土神社と八幡屋住吉神社が合祀され、昭和7年に「三津神社」と改称。
三つの社が一つになった祈りの場。その名の由来にも、港町の記憶と人々の願いが静かに重なっています。
現在の御祭神は、天照皇大神、宇迦魂大神、住吉大神、生国魂大神、大海大神。
海・土地・命に関わる神々が祀られており、港町の暮らしと祈りが深く結びついていることを感じさせてくれます。
境内に足を踏み入れると、開放感のある空気の中にどこか清々しく明るいご神気が漂っていました。
境内に漂うご神気|拝殿と手水舎の静けさ
三津神社は、港町の開放感の中に清々しい明るさが漂っているような神社です。
拝殿へ向かう前に立ち寄った手水舎では、手を清めるその所作の中に日々のざわめきが少しずつ洗い流されていくような気がしました。

三津神社の手水舎|拝殿へ向かう前に心を整える祈りの所作
鳥居をくぐると正面に見える拝殿は、重厚な屋根が印象的で、どっしりとした存在感があります。

重厚な屋根が印象的な拝殿。祈りの場に立つと、心がすっと整っていくようでした。
その前に立つと、神様に見守られているようで背筋がすっと伸びるような気持ちになりました。
御祭神は、天照皇大神、宇迦魂大神、住吉大神、生国魂大神、大海大神。
拝殿の前には、表情豊かな狛犬が一対。
手を合わせると心地良い風が吹いて、私の頬を撫でて行きました。
紅白鳥居と境内社|祈りの色が並ぶ場所
拝殿の左手へと歩みを進めると、ふたつの鳥居が並ぶ小さな祈りの空間が現れます。
赤と白。
色の違いはあれど、どちらも人々の願いを静かに受け止めているようでした。

赤と白、ふたつの鳥居が並ぶ境内社。
赤い鳥居の先に祀られているのは石中稲荷神社。

赤い鳥居の先に祀られている石中稲荷神社。港町の暮らしに寄り添う商売繁盛や五穀豊穣への祈りが静かに息づいています。
その隣には、白い鳥居が印象的な戎神社があります。

白い鳥居が印象的な戎神社。えびす様のやさしい神気が、港町に福を運んでくれるようでした。
紅白の鳥居が並ぶこの場所は、祈りの色彩が並んでいるようで面白いですね。
それぞれの願いが、違うかたちで同じ空へと届いていくようで、静かな時間が流れていました。
しゃもじの神様に願いを託す
境内の一角に、しゃもじと飯茶碗を手にしたかわいい神様が祀られていました。

しゃもじを手にした神様。食と命への感謝がそっと祈りのかたちになっていました。
見た目から「田の神さま」と呼ばれることもあるそうですが、社務所の方によると実は大黒さまなのだとか。
しゃもじと茶碗を持った大黒さま?笑
花御朱印と「港区四社御朱印巡拝」の楽しみ
三津神社で、花御朱印をいただきました。

三津神社でいただいた「大阪メトロで行く六十六花御朱印巡り」の特別花御朱印
花御朱印と一緒に「港区四社御朱印巡拝」のリーフレットも頂き、港区四社御朱印巡拝を巡ることにしました。

港区四社御朱印巡拝のリーフレット。次の神社への期待がそっと心に灯ります。
「港区四社御朱印巡拝」は、三津神社をはじめ三社神社・天満宮・住吉神社の四社をめぐる港区四社の御朱印巡礼。
それぞれの神社に祀られている神様も境内の雰囲気も異なっていて、祈りのかたちの違いを感じながら歩けるのがこの巡拝の魅力です。
リーフレットには各神社の紹介が記されていて、次の神社へ向かう道のりが楽しみになります。

港区四社巡拝のリーフレット裏面。お詣りして御朱印を頂くと朱印を押して下さいます。
全四社の朱印を納めると、年毎の記念品を頂くことができます。
港区四社御朱印巡拝・記念品については下記からご覧下さい。
御朱印とは、ただの記念ではなく祈りの時間をそっと紙に閉じ込めたもの。
その一枚一枚が、旅の記憶と心の動きを静かに記録してくれているように思います。

港区四社御朱印巡拝で頂いた御朱印
次はどんな神様に出会えるのかな?
そんな気持ちを胸に、花御朱印巡りと港区四社御朱印巡拝の旅は続きます。
静けさのあとに出会った風|三津神社の余韻
三津神社をあとにして歩き出すと、とても気持ちの良い風を感じました。
紅白の鳥居、しゃもじを手にした神様、そして境内の清々しい空気感。
それぞれの祈りのかたちが、そっと心に残っています。
三津神社で頂いた御朱印も祈りの記憶を閉じ込めたようで、宝物がまたひとつ増えました。
その余韻を胸に、次に向かったのは三社神社。
磯路に鎮座するこの神社は、元禄11年(1698)に伊勢国桑名の市岡與左兵衛宗勝が新田開発の安全と成功を祈願して創建したと伝えられています。
三社神社の境内では、奉納花手水が心を癒してくれました。
港区の神社をめぐる旅は、祈りのかたちの違いと土地の記憶の重なりをそっと教えてくれるようでした。
次の神社へ向かう道の途中でも、きっとこの余韻は静かに続いていくのでしょう。
三津神社へのアクセス
【所在地】大阪市港区夕凪2丁目6-11
【交通アクセス】大阪メトロ中央線「朝潮橋駅」下車、7番出口から東へ徒歩約5分。
大阪の御朱印めぐり|心を整える祈りの寺社
日々の中で、ふと立ち止まりたくなる瞬間があります。
そんな時に訪れた寺社でいただいた御朱印は、祈りの記録であり、心を整える旅のしるしでもありました。
このページでは、私が大阪で出会った“静かな祈りの場所”をまとめてご紹介します。
大阪府で頂いた御朱印まとめ~神社編~
大阪府で頂いた御朱印まとめ~お寺編~