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大阪市北区・西天満に鎮座する堀川戎神社(ほりかわえびすじんじゃ)は、「キタのえべっさん」として親しまれ、商売繁盛のご利益で知られる神社です。
毎年1月には「十日戎」が行われ、福笹を求める参拝者で賑わいますが、日常の境内は静かで、祈りの時間をゆっくり過ごせる場所でもあります。
今回は、そんな堀川戎神社でいただいた御朱印とともに、えべっさんの笑顔に出会う癒しの時間をご紹介します。
それでは、堀川戎神社へ参りましょう。
目次
堀川戎神社とは?|大阪三大えびすのひとつ
大阪市北区・西天満に鎮座する堀川戎神社は、「キタのえべっさん」として親しまれている神社です。
ご祭神は蛭子大神(えびす様)、少彦名命、天太玉命で、商売繁盛や福徳円満のご利益があるとされ、地元の商人や企業関係者から厚く信仰されています。
堀川戎神社は、「ミナミの今宮戎」「キタの堀川戎」「中の野田戎」と並び称される大阪三大えびすのひとつ。
毎年1月9日から11日にかけて行われる「十日戎」では、「商売繁盛で笹持ってこい!」の掛け声とともに、福笹や縁起物を求める参拝者で境内が賑わいます。
そんな華やかな祭事の印象とは対照的に、普段の境内は静かで落ち着いた雰囲気。
えびす様の笑顔に見守られながら、ゆっくりと祈りの時間を過ごすことができます。

えべっさんをお祀りする拝殿。商売繁盛を願う参拝者が絶えません。
堀川戎神社の歴史|欽明天皇の時代から続く信仰
堀川戎神社の創建は、欽明天皇の御代(6世紀頃)にまでさかのぼります。
社伝によれば、止美連吉雄(とみのむらじよしお)が蛭子大神の神託を受け、堀江で玉を得て、これを御神体として富島に祀ったのが始まりとされています。
当初は「瓊見社(たまみのやしろ)」「止美社(とみのやしろ)」と呼ばれていました。
その後、白雉2年(651年)に少彦名命、大宝3年(703年)に天太玉命を配祀し、三柱の神々をお祀りするようになります。
平治元年(1159年)には平治の乱を避けて一時丹波国に遷座し、文和年間(1352〜1355年)に現在の地へ戻って再興されました。
江戸時代中期には「十日戎」が盛んになり、「ミナミの今宮、キタの堀川」と並び称されるように。
明治40年(1907年)には近隣の神社を合祀して「堀川神社」と改称し、村社に列格しました。
しかし、昭和20年(1945年)の大阪大空襲で社殿を含むすべての建物が焼失。
その後、地域の人々の祈りと支えによって、昭和38年(1963年)に本殿が再建され、現在の姿となりました。
堀川戎神社の御朱印|祈りのかたちをいただく
堀川戎神社では、えびす様のご神徳にちなんだ御朱印をいただくことができます。
墨書は「堀川戎神社」、朱印には七福神の宝船が押されており、商売繁盛の祈りが込められた力強くもやさしい御朱印です。
御朱印は、ただの記念ではなく、祈りのかたちとして心に残るもの。
えべっさんの笑顔に見守られながらいただいた御朱印は、やさしい癒しを届けてくれました。

堀川戎神社の御朱印。えべっさんのご神徳を感じる宝船の朱印が素敵。
境内の見どころ|榎木神社と静かな祈りの空間
堀川戎神社は都会の真ん中にありながら、境内には静けさが広がり、えべっさんの笑顔に見守られながら心を整える時間を過ごすことができます。
榎木神社をはじめ、地域の信仰を受け継ぐ小さな社が並び、それぞれに異なる祈りの物語を伝えています。
手水舎

参拝前に心身を清める手水舎。静かな境内に水音が響きます。
福興戎像
拝殿の横には、平成7年1年17日の「阪神淡路大震災」で破断した表門石造鳥居(昭和2年奉納)の柱に彫刻されている福興戎像があります。
平成10年の十日戎に奉納され、平成12年、「幸いを与える」の「福」と、「生ずる・起きる・盛んになる」の「興」を付けた「福興戎像(ふくこう・ふくおこしえびす)」の応募名称を採用し命名されました。

被災鳥居から蘇った由来をもって、除災招福の象徴とされる福興戎像。
榎木神社
堀川戎神社の境内には、えびす様を祀る本殿のほかに、榎木神社(えのきじんじゃ)と呼ばれる境内社があります。
御祭神は句句廼知神(くくぬちのかみ)、宇賀御魂神(うかのみたまのかみ)。
榎木神社は「地車稲荷」とも呼ばれ、地車稲荷の神使は狐ではなく狸であるとか。
願い事が叶うとその夜に地車囃子が聞こえるとされ、願いが叶ったお礼として地車の模型や絵馬を奉納する習わしがあります。

榎木神社(地車稲荷)。願いが叶うと小さな地車や絵馬を奉納する習わしがあります。
境内に並ぶ四社|祈りを支える小さな社たち
堀川戎神社の境内には、地域の信仰を受け継ぐ七つの小社が並んでいます。
それぞれの社には異なる神様が祀られ、参拝者の多様な願いを受け止めてくれます。
◆淡島神社:少彦名命を祀り、病気平癒・安産・女性守護のご利益。
◆松尾社:松尾大神を祀り、酒造繁栄や酒業関係者の守護。
◆工匠神社:工匠祖大神を祀り、技術向上・ものづくりの守護。
◆大国主社:大国主大神を祀り、縁結び・国土安泰・商売繁盛。
◆菅原社:菅原道真公を祀り、学業成就・受験合格のご利益。
◆皇大神社:天照皇大神を祀り、国家安泰・開運招福。
◆幸神社:猿田彦大神を祀り、道開き・交通安全・導きの神。
七社が並ぶ姿は、まるで祈りの小宇宙のよう。
えべっさんの「商売繁盛」に加え、健康・技芸・縁結び・学問・開運と幅広い祈りを一度に託せるのも、堀川戎神社ならではの魅力です。

堀川戎神社の境内に並ぶ七社(淡島神社・松尾社・工匠神社・大国主社・菅原社・皇大神社・幸神社)。多彩な祈りを受け止める小さな社たち。
堀川戎神社へのアクセス情報
【所在地】大阪市北区西天満5丁目4番17号
【交通アクセス】・ Osaka Metro堺筋線・谷町線「南森町駅」から徒歩約3分・JR東西線「大阪天満宮駅」から徒歩約4分
【開門時間】6:00〜20:00(年中無休)
【御朱印授与時間】9:00〜17:00頃(社務所にて)
【駐車場】なし。周辺にコインパーキングがあります。
心に残るえべっさんとの出会いを胸に
大阪市北区・西天満に鎮座する堀川戎神社は、商売繁盛のご利益で知られる「キタのえべっさん」として、古くから人々に親しまれてきました。
御朱印は、えびす様の祈りをかたちにした一ページであり、訪れる人の心にやさしい力を届けてくれます。
十日戎の賑わいに包まれる日も、静かな日常の境内を歩く時も、そこには変わらない祈りと笑顔があります。
堀川戎神社でいただく御朱印は、単なる記録ではなく、「福を願う心」と「癒しの時間」を手元に残すもの。
大阪の中心にありながら、ふと立ち寄ると心を整えてくれる——。
そんなえべっさんとの出会いを、ぜひ体験してみてください。
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