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堺市の住宅街に静かに鎮座する百舌鳥八幡宮(もずはちまんぐう)。
鳥居をくぐると目の前に広がるのは、樹齢約700~800年の大楠と、凛とした空気をまとった社殿。
そして、美しい花に彩られた手水舎や、かわいい花御朱印、ふとん太鼓の記憶を宿す授与品など──。
百舌鳥八幡宮には、地域の祈りと自然の力がやさしく重なる時間が流れていました。
今回は、百舌鳥八幡宮の御朱印・大楠・摂末社をめぐりながら、静かな祈りにふれる癒しの参拝記を綴ってみたいと思います。

参拝のはじまりにふれる、季節の彩り。手水鉢に咲く花が、心をやさしく整えてくれます。
百舌鳥八幡宮の由緒とご祭神
百舌鳥八幡宮(もずはちまんぐう)は、神功皇后が三韓征伐の帰途、この地において幾万代まで天下泰平民万人を守ろうとの御誓願を立てたとし、八幡大神の宣託をうけて欽明天皇(532年 - 571年)の時代、この地を万代(もず)と称し、ここに神社を創建してお祀りされたのがきっかけと伝わっています。

鳥居をくぐると正面に見える百舌鳥八幡宮の拝殿
主祭神は、応神天皇(誉田別命)。
その母である神功皇后(息長帯比売命)も配祀されており、親子の神々がともに祀られていることから、家族の安寧や母性への祈りが込められているようにも感じられます。
さらに、仲哀天皇、住吉大神、春日大神も配祀されており、百舌鳥八幡宮には、国家安泰・家内安全・交通安全・安産祈願・厄除けなど、人々の暮らしに寄り添う祈りが、時代を超えて息づいています。

百舌鳥八幡宮の鳥居に掲げられた扁額(大久保利武による揮毫)
鳥居に掲げられた扁額は、明治時代の大阪府知事・大久保利武による揮毫。
力強くも品のある筆跡は、神社の格式と地域の誇りを静かに物語っています。
境内に足を踏み入れると、歴史の重みよりもやさしく包み込むような空気感が広がっていて、「ここに祈りがある」と、自然に感じられる場所です。
大楠にふれる|静かな力を宿す御神木
百舌鳥八幡宮の境内に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが、樹齢約700~800年といわれている大楠(おおくす)です。

静かな力を宿す大楠。根元から見上げると祈りの空気が広がります。
高さ約25メートル、幹の太さは約1.8メートル──。
その圧倒的な存在感は、言葉よりも先に、静かな力を感じさせてくれます。
この大楠は、大阪府の天然記念物にも指定されており、地域の人々にとっては「見守りの木」として親しまれてきました。
木のそばに立つと、まるで時間がゆっくりと流れ始めるような感覚に包まれ、「この木は、何百年もの祈りを見守ってきたのね」と、自然と心が整っていくのを感じました。
参拝の途中、ほんの数分でもこの大楠のそばで過ごすことで、自分の内側にある静けさと向き合う時間が生まれるように思います。
摂末社めぐり|30分の祈りの散歩
百舌鳥八幡宮の境内には、主祭神の祈りを支えるように、5つの摂末社が静かに佇んでいます。
それぞれの社には異なる神々が祀られ、暮らしの中の祈りや自然への感謝が込められています。
若宮社(仁徳天皇)
本殿のすぐそばにある若宮社には、仁徳天皇(大鷦鷯尊)が祀られています。
応神天皇の子にあたる神であり、親子の祈りが境内に重なる場所です。
百舌鳥古墳群とのつながりも感じられ、地域の歴史と深く結びついています。

応神天皇の子・仁徳天皇を祀る若宮社。親子の祈りが境内に重なります。
市杵島社(弁財天)
池のほとりに建つ小さな社には、市杵島姫命(弁財天)が祀られています。
芸能・財運・水の神として知られ、女性の願いに寄り添う祈りの場としても親しまれています。

池のほとりに佇む市杵島社。芸能や財運を祈る静かな社です。
水神社
市杵島社の近くにひっそりと佇む水神社は、水の恵みに感謝する祈りの社。
農業や暮らしの根底を支える水への祈りが、静かに息づいています。

水の恵みに感謝する祈りの場。
稲荷社
朱色の鳥居が印象的な稲荷社には、宇迦之御魂神が祀られています。
商売繁盛・五穀豊穣の神として、地域の人々の願いが込められています。

朱色の鳥居が印象的な稲荷社。商売繁盛や五穀豊穣の祈りが込められています。
招魂社
戦没者の御霊を慰めるために建てられた招魂社は、静かな祈りと感謝の場。
境内の一角にありながら、深い敬意と静けさが漂っています。

戦没者の御霊を慰める招魂社。静かな敬意が漂う祈りの場です。
境内をゆっくり歩きながら摂末社をめぐると、それぞれの祈りが少しずつ心に染み込んでくるような感覚に包まれます。
30分ほどの散歩の中で、自分自身の願いや感謝と向き合う時間が生まれるかもしれません。
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御朱印と授与品|季節の彩りと祈りのかたち
今回は、「OsakaMetroで行く花御朱印巡り」企画に参加すると頂ける「特別花御朱印」を拝受しました。

OsakaMetroで行く六十六花御朱印巡り企画で拝受した花御朱印
御朱印には季節のお花や埴輪、古墳のスタンプなどが押されていて、とてもかわいい御朱印です。
今回いただいた花御朱印は、「Osaka Metroで行く六十六花御朱印巡り」の一枚です。
この巡礼について詳しくまとめていますので、下記からぜひご覧ください。
アクセス・駐車場情報
【所在地】大阪府堺市北区百舌鳥赤畑町5-706
【駐車場】あり。
【交通アクセス】●JR阪和線百舌鳥駅下車 徒歩10分●南海高野線百舌鳥八幡駅下車 徒歩10分●南海高野線三国ヶ丘駅下車 南海バス北野田方面行「梅北町」下車徒歩5分●地下鉄御堂筋線なかもず駅下車 6番出口より徒歩20分、または6番出口から 南海バス堺東泉ヶ丘線(津久野駅前・伏尾方面行き) 乗車、「百舌鳥八幡前」下車徒歩5分
静かな祈りにふれて
百舌鳥八幡宮の鳥居下から写真を撮っていると、お兄さんが声をかけてこられました。
「手水のお花がとてもきれいですよ!」と。
そして、スマホで撮った写真を私に見せてくれました。
このような出会いがとてもうれしい寺社参拝。
私はいつも「これは神仏が私に声をかけて下さってるのかな?」と勝手に解釈し、うれしい気持ちになります(笑)
今回、初めて訪れた百舌鳥八幡宮。
百舌鳥八幡宮の境内を歩きながら、大楠のそばで深呼吸し、季節の花御朱印に心をときめかせ、摂末社の祈りにそっと耳を澄ませる──。
この場所には、日常の中でふと立ち止まりたくなるような、心安らぐ静けさがありました。
祈りとは、特別なものではなく、自分の内側にある静かな願いに触れることなのかもしれません。
参拝を終えて境内を後にするとき、手水鉢の花が優しく見送ってくれているような気がしました。
「また来てね!」と・・。
百舌鳥八幡宮は、堺の街の中にあるやさしい祈りの場所。
季節ごとに彩られる御朱印や、地域の記憶を宿す授与品に触れながら、次の祈りの旅へと、心をやさしくつないでくれる神社でした。
この参拝記は、「OsakaMetroで行く六十六花御朱印巡り」シリーズのひとつです。
季節の花に彩られた御朱印をめぐりながら、大阪の街にそっと息づく、静かな祈りの場所を訪ねています。
次はどんな花御朱印に出会えるでしょうか──。
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