大阪・なんばの街を歩いていると、観光客で賑わう神社があります。

そこは勝運と厄除けのご利益で知られる難波八阪神社(なんばやさかじんじゃ)。

高さ12メートルもの獅子殿は、訪れる人の目を奪い、邪気を飲み込み、力強い運を呼び込む象徴とされています。

この神社の歴史は古く、平安時代の延久年間(11世紀後半)にはすでに「難波下の宮」として地域の人々に信仰されていたと伝わります。

御祭神は素盞嗚尊(すさのおのみこと)、奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)、八柱御子命(やはしらみこのみこと)。

素盞嗚尊は八岐大蛇を退治した神話にちなみ、災厄を祓い、勇気と勝利を授ける存在として崇められてきました。

現代ではSNS映えするスポットとしても注目を集めていますが、その背景には千年以上にわたる信仰と、浪速の人々に寄り添ってきた歴史があります。

観光で訪れる人にとっても、地元の方にとっても、ここは「力をいただける場所」。

大阪観光の合間に立ち寄れば、迫力と癒しの両方を感じられるでしょう。

それでは、難波八阪神社へ参りましょう。

 

 

歴史と由緒

 

難波八阪神社の起源は古く、平安時代の延久年間(1069〜1073年)にはすでに「難波下の宮」と呼ばれ、地域の産土神として人々に信仰されていたと伝わります。

御祭神である素盞嗚尊(すさのおのみこと)は、八岐大蛇を退治した神話で知られる神であり、災厄を祓い、勇気と勝利を授ける存在として崇敬を集めてきました。

中世から近世にかけては、祇園信仰の広がりとともに「牛頭天王」を祀る社としても知られ、疫病退散や厄除けの祈願所として浪速の人々の暮らしを支えてきました。

明治時代の神仏分離令により社名が「難波八阪神社」と改められ、現在の姿へと受け継がれています。

昭和49年(1974年)には、境内に高さ12メートルの巨大な獅子殿が建立されました。

この獅子殿は、古来より伝わる「獅子が邪気を飲み込み、福を招く」という信仰を象徴する存在であり、現代では神社のシンボルとして多くの参拝者を惹きつけています。

 

 

難波八阪神社の見どころ

 

観光客で賑わう難波八阪神社の境内。

手水舎で心を整え、本殿にそっと手を合わせると、内なる祈りが静かに響きはじめます。

そして境内を進むと、突如として現れる巨大な獅子殿。

その圧倒的な存在感は、まるで心の奥に眠る力を呼び覚ますかのようです。

小さな社や季節の花々も、訪れる人の心にそっと寄り添い、やさしい記憶として残っていきます。

ここでは、そんな難波八阪神社の見どころを、写真とともにご紹介します。

 

鳥居|静けさへと誘う結界

 

境内の入口に立つ石造りの鳥居は、日常の喧騒と神聖な空間をやさしく隔てる結界のような存在。

 

難波八阪神社の石造りの鳥居

静けさへと誘う、石の鳥居。

 

 

手水舎|心を澄ませる清らかなひととき

 

参拝前に立ち寄る手水舎は、静かに流れる水音が心を整えてくれる場所。手を清める所作そのものが、内なるざわめきを鎮めてくれます。

 

難波八阪神社の手水舎と柄杓

手を清め、心も澄ませて。

 

 

拝殿|祈りを捧げる静謐な空間

 

素盞嗚尊、奇稲田姫命、八柱御子命を祀る拝殿は、獅子殿の迫力とは対照的に、落ち着いた佇まいが印象的。静かに手を合わせると、心の奥にそっと力が灯るようです。

 

難波八阪神社の拝殿

静けさの中に宿る、祈りの場所。

 

 

獅子殿|勝運を呼ぶ迫力の象徴

 

高さ12メートルの巨大な獅子殿は、難波八阪神社の象徴。大きく開いた口は邪気を飲み込み、勝運を呼び込むとされ、訪れる人々を圧倒します。

 

難波八阪神社の巨大な獅子殿(獅子舞台)

勝運を呼ぶ、獅子の咆哮。

 

 

四つの末社

 

境内には、暮らしに寄り添う四つの末社が並んでいます。

商売繁盛・火の守り・交通安全・道開き──それぞれの祈りが、静かに息づいています。

 

境内に並ぶ四つの末社

末社四社。左から稲荷神社・三宝荒神社・市杵島姫神・皇大神社。

 

 

地域に根ざした信仰|篠山神社の静かなまなざし

 

難波八阪神社の境内にひっそりと鎮座する篠山神社は、地域の暮らしと深く結びついた信仰の場です。

ご祭神の篠山十兵衛景義公は、江戸時代にこの地の青物市場の開設に尽力し、地域の発展に大きく貢献した人物。

当時、天満まで野菜を運ばなければならなかった農民たちの負担を軽くしようと、難波での市場開設を実現させたその働きは、今も「恩人」として語り継がれています。

明治13年に創建されたこの社は、地域の人々の感謝と敬意を込めて祀られたもの。

華やかな獅子殿とは対照的に、静かでやさしい空気をたたえ、今もそっと人々を見守り続けています。

 

難波八阪神社境内に鎮座する篠山神社の社殿

そっと見守る、小さな祈りの社。

 

 

御朱印

 

今回の参拝では、「Osaka Metroで行く六十六花御朱印巡り」の一社として、難波八阪神社の花御朱印をいただきました。

 

六十六花御朱印巡りで拝受した花御朱印。

六十六花御朱印巡りで拝受した花御朱印。獅子殿の印がいいですね!

 

 

アクセス

 

【所在地】大阪市浪速区元町2-9-19

【最寄駅】・Osaka Metro御堂筋線・四つ橋線・千日前線「なんば駅」から徒歩約6〜10分・南海電鉄「難波駅」から徒歩約10分

【開門時間】6:30〜17:00

【拝観料】境内自由

【お手洗い】あり

難波八坂神社公式サイト

 

 

 

まとめ

 

初めて訪れた難波八坂神社。

境内に足を踏み入れると、観光客で溢れ返っていてビックリ!

みなさん楽しそうに、おみくじを引いたりして楽しんでいらっしゃいました。

 

巨大な獅子殿の迫力に守られながら、花御朱印の彩りに心を和ませる──。

難波八阪神社は、訪れる人に静かな勇気とやさしい癒しを授けてくれる場所でした。

一枚一枚の花御朱印が、旅の記憶をやさしく彩ってくれます。

難波八阪神社も、「Osaka Metroで行く六十六花御朱印巡り」のひとつ。

満願へと続く祈りの旅は、まだまだ続きます──。

 

 

🌸Osaka Metroで巡る「六十六花御朱印」の旅──。

季節の風に包まれながら、ひとつひとつの寺社で祈りを重ねてきました。

ここでは、参拝した寺社を少しずつ綴っています。

それぞれの御朱印が、まるで祈りの花束のように、そっと心に咲いてくれました。

どうぞ、あなたの旅のヒントになりますように。