この日は近鉄上本町駅を降りて、上本町西へ。
第二十五番札所の西光院(さいこういん)を訪ねました。
大阪冬の陣に際して現在地に移転したという歴史を持ち、かつて魚市場「ざこば」の近隣にあったという、大阪の食文化とも深い縁のある寺院です。
それでは西光院へ参りましょう。
所在地:大阪府大阪市中央区上本町西5-1-2
御本尊:阿弥陀如来
歴史・由緒
慶長5年(1600)、関ヶ原合戦の年に開創されました。
慶長4年(1599)に禅牛上人が開山との記録もありますが、詳細は不明です。
大阪冬の陣に際して、現在地に移転しました。
移転前は魚市場「ざこば(雑魚場)」の近隣にあり、名残として現在も外壁の瓦にざこば講の銘があります。
雑喉場は江戸時代に大坂三大市場の一つとして栄えた生魚市場で、「天下の台所」大阪を支えた場所でした。
水産、漁業に縁の深い塩竃大明神、海龍王を祀ることからも寺の由緒がしのばれます。
大阪大空襲の戦災に遭い、山門以外の堂宇を焼失。昭和41年(1966)に本堂を再建しました。
明治期浄土宗の高僧吉川大順師が住持していた寺としても知られます。
本尊阿弥陀仏座像は徳川初期定慶(じょうけい)作と伝えられます。空襲で焼失する前の阿弥陀仏像は運慶作と伝えられ、3尺に達する大きな座像でした。
阿弥陀巡礼の四十八の願い
阿弥陀如来が法蔵菩薩として修行していた時、すべての人々を救うために立てられた四十八の誓願。
大阪新四十八願所巡礼は、この一つひとつの願を辿る旅です。
西光院には第二十五願「説一切智の願」が配当されています。
【原文】
設我得佛 國中菩薩 不能演説 一切智者 不取正覺
【現代語訳】
私が仏となるとき、私の国の菩薩が、一切智によって諸法を演説できないならば、私は仏とならない。
【大意】
極楽浄土に往生した菩薩は、一切智(すべてを知る智慧)を得て、仏の教えを自在に説くことができるという誓いです。
この願は、浄土に往生した者が、単に自分だけの悟りを得るのではなく、他者を導くための完全な智慧と能力を授かることを示しています。
【御詠歌】
きくになを ひとつ心の のりのうみ ふかきちかひや ときもつたへん
聞くだけでも一つの心となる法の海。深い誓いを説き伝えること。
この和歌は、第二十五願の「一切智によって諸法を演説する」という、仏の教えを説き伝える力を詠んでいます。
境内の見どころ
戦災を免れた山門が、今も参拝者を迎えています。

山門前にあったお言葉
境内には「南無阿弥陀仏」と刻まれた石碑があります。

南無阿弥陀仏と刻まれた石碑
明治期に住持を務めた浄土宗の高僧・吉川大順師の揮毫と伝えられる石碑があるとのことですが、こちらがそうなのでしょうか?
確信は持てませんが、浄土宗の信仰の中心である名号が刻まれた石碑に手を合わせました。
境内の奥には北向地蔵尊も祀られています。

北向地蔵尊
御朱印
御朱印はセルフ形式で拝受しました。

阿弥陀四十八願のセルフ御朱印
かわいい社の扉をあけ御朱印を頂くスタイルです。

かわいい御朱印所
大阪新四十八願所阿弥陀巡礼 第二十五番札所 西光院の御朱印

阿弥陀巡礼の御朱印
アクセス
【所在地】大阪府大阪市中央区上本町西5-1-2
【交通アクセス】近鉄奈良・大阪線「大阪上本町」駅出口8より徒歩約3分、Osaka Metro千日前線・谷町線「谷町九丁目」駅より徒歩約5分
参拝メモ
とても温かく気持ちの良い日に訪れました。境内はこじんまりとした落ち着いた雰囲気です。
山門をくぐり境内に入ると、犬が吠えてきてビックリ!山門の入り口には「日本警察犬協会会員之章」が貼られていたので、警察犬がいるようです。
番犬ならぬ「番・警察犬」がお寺を守っているのは、なかなか珍しい光景でした。
御朱印はセルフ形式でいただくことができました。
近鉄大阪上本町駅から徒歩3分と、アクセスも良好です。生玉寺町の札所群とは少し離れていますが、上本町エリアの巡礼の起点として訪れやすい札所です。
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