大福寺での参拝を終え、すぐ近くの天性寺(てんしょうじ)を訪ねました。
ここは大阪新四十八願所阿弥陀巡礼の第二十三番札所。奈良の名刹・當麻寺との深い縁を持つ、歴史ある寺院です。
それでは天性寺へ参りましょう。
所在地:大阪府大阪市天王寺区上本町4-2-28
山号:當麻山
御本尊:阿弥陀如来
歴史・由緒
天正3年(1575)5月、大和當麻寺の僧眼誉道三上人が創建しました。天正3年は織田信長が長篠の戦いで武田勝頼を破った年で、戦国の世が続く中に開かれた寺院です。
当寺の山号が「當麻山」であるのは、開山が奈良の名刹・當麻寺の僧であったことに由来します。當麻寺は中将姫伝説と當麻曼荼羅で知られる古刹であり、天性寺はその精神的な系譜を受け継いでいます。
慶長年間(1596~1615)の寺町編成に際して、北河内から現在地に移転したと伝えられています。
大阪大空襲により堂宇を焼失しましたが、戦後に再建されました。かつて境内には大きな松の木があり、寺の象徴として親しまれていましたが、空襲で失われてしまったそうです。
阿弥陀巡礼の四十八の願い
阿弥陀如来が法蔵菩薩として修行していた時、すべての人々を救うために立てられた四十八の誓願。
大阪新四十八願所巡礼は、この一つひとつの願を辿る旅です。
天性寺には第二十三願が配当されています。
【原文】
設我得佛 國中菩薩 承佛神力 供養諸佛 一食之頃 不能徧至 無數無量那由他 諸佛國者 不取正覺
【現代語訳】
私が仏となるとき、私の国の菩薩が、仏の神力を受けて、一食の間に無数無量那由他の諸仏の国々に遍く至り、諸仏を供養することができないならば、私は仏とならない。
【大意】
極楽浄土の菩薩たちは、阿弥陀仏の神通力を受けて、食事をする短い時間の間に、無数の仏国土を訪れて、あらゆる諸仏を供養することができるという誓いです。
この願は、浄土に往生した者が、自由自在に十方の仏国土を訪れて修行を積むことができることを示しています。
さき出(いづ)る 花の木(こ)ずゑを そのままに 三世(さんぜ)のほとけの たむけとやせん
咲き出る花の木末をそのままに、三世(過去・現在・未来)の仏への手向け(供養)としよう。
この和歌は、第二十三願「供養諸仏の願」が示す、極楽浄土の菩薩が無数の仏国土を訪れてあらゆる諸仏を供養することができるという願の意味を詠んでいます。「三世のほとけのたむけ」という表現が、あらゆる時代の諸仏への供養を美しく表現しています。
境内の見どころ
大阪大空襲で堂宇を焼失した後、戦後に再建された天性寺。
手水鉢には清らかな水が満たされており、参拝者を迎えています。

手水鉢
境内には近代的なモダン造りの本堂が建っています。かつての松の木はありませんが、清潔で落ち着いた雰囲気の境内です。

近代建築の立派な本堂
境内には延命地蔵尊が祀られており、人々の健康と長寿を願う信仰を集めています。

延命地蔵尊
當麻寺の精神的な系譜を受け継ぐ寺院として、静かに阿弥陀如来への信仰を守り続けています。
また、境内には大きい石があり、何か文字が刻まれているようですが、風化が進んでいるのか判読が難しい状態です。

歴史を感じさせる石ですが、何の石碑なのか気になるところです。
御朱印
大阪新四十八願所阿弥陀巡礼の第二十三番札所としての御朱印をいただくことができます。

阿弥陀巡礼天性寺の御朱印
アクセス
【所在地】大阪府大阪市天王寺区上本町4-2-28
【交通アクセス】近鉄奈良・大阪線「大阪上本町」駅より徒歩約5分、Osaka Metro千日前線・谷町線「谷町九丁目」駅より徒歩約7分
参拝メモ
とても気持ちの良いお天気に恵まれた日に訪れました。
御朱印をいただく際、お寺の方から庭に実っていた柿をいただきました。温かいお心遣いに触れ、心が和みます。こうした何気ない優しさに触れるのも、巡礼の旅の醍醐味の一つです。
大福寺から徒歩すぐの距離にあり、上本町エリアの札所巡りとして効率よく回ることができます。當麻寺の系譜を受け継ぐ歴史ある寺院で、静かに手を合わせることができました。
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