漢國神社(奈良市) 日本に初めて饅頭を伝えた林浄因を祀る林神社【御朱印】

漢國神社(かんごうじんじゃ)は、奈良県奈良市に鎮座しています。

漢國神社って読みにくい名前ですよね。

「かんこくじんじゃ」・・と読んでしまいそうになりますが(笑)、「かんごうじんじゃ」と読みます。

近鉄奈良駅から徒歩2~3分の場所にあるのですが、観光客で賑わう喧騒から離れることができるとても静かで落ち着く素敵な神社です。

境内には日本で唯一の饅頭の神社があります。

饅頭の神社って?

それでは、饅頭の神社として有名な漢國神社へと参りましょう。

 

 

境内

 

近鉄奈良駅より歩くこと2~3分でしょうか。
「やすらぎの道」沿いに神社の入り口がありました。

 

 

鳥居をくぐると表門が見えてきます。

 

 

水神様と手水舎

 

 

訪れたのは12月上旬。
境内は紅葉に彩れ、静かでしっとりした感じで、とってもいい雰囲気です♪

 

 

拝殿

神社で頂いた漢國神社由緒略記によりますと、推古天皇の元年二月三日(今より約千四百年前)、大神君白堤(おおみわのきみしらつつみ)が園神(そのかみ)を祀ったのに始まるとされています。

その後、元正天皇の養老元年十一月二十八日、藤原不比等公が更に韓神(からかみ)の二座を相殿として祀られました。

園神(そのかみ):大物主命(おおものぬしのみこと)

韓神(からかみ):大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)

漢國神社は古くは、春日率川坂岡社(かすがいさかわさかおかしゃ)と称していました。

 

 

本殿

本殿は三間社流造・桧皮葺で、屋根に箱棟を載せています。

桃山時代の建造で、奈良県指定有形文化財に指定されています。

 

 

林神社(りんじんじゃ)

漢國神社といえば饅頭の神社として有名ですが、こちらの林神社が饅頭の神社です。

御祭神は林浄因(りんじょういん)、田道間守(たじまもり)。

 

浙江省生まれの林浄因は、宋の高名な詩人・林和靖の後裔と伝えられ、元に渡って修業中の龍山徳見が寄宿していた禅寺で饅頭(マントウ)職人を務めていました。

1341年に龍山が帰国する折にはその俗弟子となって付き従い、漢國神社がある今の奈良市漢国町の林小路という場所に居を構え、肉などを詰めて作るマントウをヒントに自ら考案した「饅頭」という菓子を作り始めました。

日本で初めて小豆を煮詰めて甘葛の甘味と塩の味を加えて餡を作り、これを皮で包んで蒸上げ、餡入りの饅頭を作ったのが林浄因なのです。

 

林浄因は結婚に際して、紅白饅頭をつくり、諸方に贈り、そのうちの一組を子孫繁栄を願って大きな丸い石の下に埋めました。これが「饅頭塚」として、漢国神社境内に残されています。

嫁入りや祝い事に紅白饅頭を配る風習があるのは、ここより始まるものです。

 

林浄因は二男二女を授かりますが、龍山徳見が亡くなったのち、林浄因はその寂しさに耐えかね、望郷の念に駆られて、妻子を残して中国へ帰ってしまいました。

残された妻子は、林浄因が中国に帰国した日を命日と定めて、その後も饅頭作りを続けました。

林浄因が中国に帰った4月19日を命日に毎年全国の菓子業会の方々が集まり例大祭が盛大に行われています。

これが有名な饅頭祭りです。

ちなみに林浄因の子孫は江戸に渡り、御菓子処を営み塩瀬総本家となり、今も饅頭作りは続いています。

(林浄因と塩瀬総本家の詳細はコチラからご覧下さい。)

 

 

林神社の横には、吉村長慶によって刻まれた石造物があります。

吉村長慶は昭和十七年に数え年八十歳で亡くなるまで、奈良県内はもちろん京都、大阪、高野山にまで二~三百の石造物を遺している方です。

「所感和あらば倉自ら満つ ここに戎大黒を刻み 和の貴きを信者に教ふ」

この石造物は、慶長小判を持っている大黒天さまとそれを喜んでいる戎さまの絵だそうで、吉村長慶さんが七十八歳の時の作品です。

お饅頭を持っている大黒天さま・・じゃなかったのですね(笑))

 

 

八王子社

御祭神は八王子神。伝に宗像正前大神とも、神屋楯姫命ともいう。

 

 

葵神社

御祭神は東照大権現。

 

 

源九郎稲荷神社

御祭神は宇賀御魂神。1924年(大正13年)に山の寺から勧請されました。

 

源九郎稲荷神社で手を合わせていると、、!

黒猫ちゃんがトコトコとやってきました。

「ようお参り~♪」っと、言ってくれていたのかな?笑

 

 

宝物として、慶長19年(1614年)の大坂冬の陣の際、徳川家康が社参し奉納した鎧1領があります。

 

慶長十九年十一月十五日、大坂陣の際、徳川家康公木津の戦に破れ当社境内の桶屋に落忍ばれ九死に一生を得給う。

依って報賽祈願の為翌十六日当社に御参拝、御召鎧一領御奉納遊ばさる。

其後鎧蔵を建立し累世の将軍家は年々使者をお立てになりました。

 

 

徳川家康公御鎧(複製)

現在は市指定有形文化財に指定され、奈良国立博物館に保管されています。

 

 

御朱印

 

 

 

アクセス

 

【所在地】奈良県奈良市漢国町6

【駐車場】あり

【交通アクセス】近鉄奈良駅より50m、JR奈良駅より500m。

漢國神社公式サイト

 

 

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