大原神社(明日香村) 藤原鎌足の生誕地に残る産湯の井戸

大原神社(おおはらじんじゃ)は、奈良県高市郡明日香村に鎮座しています。

藤原鎌足の生誕地とされていて、境内には鎌足の産湯の井戸があります。

大原神社は、藤原鎌足を祀る談山神社への参道の一部としても知られています。

境内入り口には、万葉集に収められた天武天皇と鎌足の娘・藤原夫人の歌を刻んだ石碑がありました。

それでは、大原神社へ参りましょう。

 

 

大原神社へと続く道には、たくさんのコスモスが咲いていました。

 

遠くには二上山と畝傍山が重なる風景

 

遊歩道には志貴皇子(しきのみこ)の歌碑がありました。

 

大原の この市柴の いつしかと わが思ふ妹に 今夜逢へるかも

【現代語訳】
大原のこの神聖なるいつ柴のようにいつ逢えるだろうかと思っていた君に今夜逢えたよ

 

 

コスモス畑の向こうに大原神社が見えてきました♪

 

 

境内

 

由緒

 

藤原鎌足は、「大織冠伝」(760年頃成立)によると、推古天皇22年 (614年)、大倭(大和)国高市郡の人として、藤原の第(邸宅)に生まれたと記されている。

藤原は、現在のここ明日香村小原の地である。

 

 

境内右手には大織冠誕生跡の石碑

 

 

その横にある田園には、明治初年まで「藤原寺(とうげんじ・鎌足誕生堂)」が建っていました。

江戸時代後期には、国学者の本居宣長も訪れたと伝わります。

 

 

境内左手には、天武天皇と鎌足の娘の藤原夫人(ふじわらのぶにん)との間に交わされた、万葉集の歌二首を刻んだ石碑があります。

 

天武天皇 「わが里に 大雪降れり 大原の 古りにし里に 降らまくは後」

藤原夫人 「わが岡の おかみに言ひて 落らしめし 雪のくだけし そこに散りけむ」

【現代語訳】

天武天皇 「わがこの里に雪が降ったぞ。大原などの古びた里に降るのは後だろう。」

藤原夫人 「私の住む岡の水の神に言いつけて降らせた雪のかけらが、そちらに降ったのでしょう。」

 

 

拝殿

 

 

ご本殿

御祭神は大織冠鎌足、品陀別命。

鎌足は、中大兄皇子(後の天智天皇)を助けて、「大化の改新」を推進する偉業を成し遂げました。

669年、臨終の床で、天智天皇から、最高位の「大織冠(たいしょくかん)」の冠位を与えられ、その後、一千年以上も続く藤原氏の祖となりました。

 

 

境内の奥にある竹田川のほとりには、「鎌足産湯の井戸」があります。

 

 

 

「産湯の井戸」の横にも井戸跡らしきものがありました。

 

 

大原神社より左手の森には、鎌足の母「大伴夫人(おおとものぶにん)」のお墓があります。

 

東西11m、南北12m、高さ2.4mの円墳。

 

 

アクセス

 

【所在地】奈良県高市郡明日香村小原134

【駐車場】なし

※境内無人

 

 

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