甘樫坐神社(明日香村) 古代の裁判「盟神探湯」が行われた甘樫丘

甘樫坐神社(あまかしにますじんじゃ)は、奈良県高市郡明日香村の甘樫丘の麓に鎮座しています。

式内大社。

推古天皇を主祭神とし、相殿に八幡宮・春日大明神・天照皇大神・八咫烏神・住吉大明神・熊野権現を祀っています。

室町時代の文書「和州五郡神社神名帳大略注解」(通称『五郡神社記』)には、八十禍津日神・大禍津日神・神直日神・大直日神とあり、これが元々の祭神であったようです。

境内入り口には鳥居がなく、一見、神社だと気づかず、通り過ぎてしまうかも知れません。

それでは、甘樫坐神社へと参りましょう。

 

 

境内

 

甘樫坐神社は、推古天皇が即位された豊浦宮があった場所に鎮座していました。

推古天皇を主祭神とするようになったのは江戸時代以降と伝わります。

 

 

 

本殿

少し見にくいですが、三社あります。

 

 

拝殿の横には、奇妙な大きな石がありました。

明日香には奇石がたくさんあるので、この石もその類のような気がしてきました(笑)。

 

甘樫丘は古代、盟神探湯(くがたち)が行われたという地であるそうです。

 

盟神探湯(くがたち)って?

 

盟神探湯は裁判の一種として考えられ、煮え湯の入った釜に手を入れ「正しき者にはヤケドなし、偽りし者はヤケドあり」という極めて荒い裁判の方法です。

「日本書記」によれば允恭天皇4年(415)氏姓制度の混乱を正すため、甘橿の神の前に諸氏を会して盟神探湯を行ったと伝えています。

現在では毎年4月、境内にある「立石」の前に釜を据え、嘘・偽りを正し、爽やかに暮らしたいという願いを込め、豊浦・雷大字が氏子となって「盟神探湯神事」としてその形を保存・継承しています。

「立石」と呼ばれる謎の石はこの豊浦のほか、村内の岡・上居・立部・小原などにも残っています。

 

煮え湯の入った釜に手を入れたら、みんなヤケドしてしまうと思いますけど・・(汗))

荒々しい裁判だったのですね。

現在は、境内にある「立石」のまえに釜を据え、手に見立てたササの葉を釜の湯に浸して無病息災を祈る神事として、継承されています。

 

 

アクセス

 

【所在地】奈良県高市郡明日香村大字豊浦字寺内626

【駐車場】なし

【交通アクセス】近鉄「橿原神宮前」駅東口または「飛鳥」駅より奈良交通明日香周遊バス乗車。「豊浦」下車 徒歩5分。

 

 

 

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