圓通寺での参拝を終え、同じ生玉寺町を少し歩く。

江戸時代から続く寺町の静けさを感じながら、大阪新四十八願所阿弥陀巡礼の第三十三番札所である光善寺(こうぜんじ)を訪ねました。

それでは、歴史ある山門をくぐって、光善寺へ参りましょう。

 

 

第三十三番札所 光善寺(浄土宗)
所在地:大阪府大阪市天王寺区生玉寺町5-34
御本尊:阿弥陀如来

 

 

歴史・由緒

 

慶長元年(1596)3月3日、伝誉上人が創建した浄土宗の寺院です。

慶長元年は豊臣秀吉が存命中の時代で、大坂の街が繁栄を迎えていた頃に開かれた古刹です。

昭和20年(1945)3月大阪大空襲によって、山門以外の堂宇及び本尊を焼失しましたが、元禄年間(1688~1703)の建築と伝えられている山門は現存しており、江戸時代の面影を今に伝えています。

昭和39年(1964)古寺院建築の様式に準じて、新本堂を再建されました。

戦前は、呉服関係・綿業界の檀徒が多く名を連ねていたことからも、大阪商人との深い縁がうかがえます。

 

 

阿弥陀巡礼の四十八の願い

 

阿弥陀如来が法蔵菩薩として修行していた時、すべての人々を救うために立てられた四十八の誓願。

大阪新四十八願所巡礼は、この一つひとつの願を辿る旅です。

光善寺には第三十三願「触光柔軟の願」が配当されています。

 

 

第三十三願「触光柔軟の願(そっこうにゅうなんのがん)」

 

【原文】
設我得佛 十方無量不可思議諸佛世界眾生之類 蒙我光明觸其體者 身心柔軟 超過天人 若不爾者 不取正覺

 

【現代語訳】
私が仏となるとき、十方無量不可思議の諸仏世界の衆生が、私の光明に触れて、身も心も柔らかくなり、天人を超えることができないならば、私は仏とならない。

 

【大意】
阿弥陀如来の光明に触れた者は、身も心も柔らかく穏やかになり、天人をも超える安らぎを得ることができるという誓いです。この願は、阿弥陀如来の慈悲の光が、私たちの心の硬さや頑なさを和らげ、柔らかく優しい心へと導いてくださることを示しています。

 

 

【御詠歌】

ちかひてし 月のひかりを 身にふれて こころやはらぐ のりのことの葉

 

誓願を立てた阿弥陀如来の光明が身に触れて、心が和らぐ。

「こころやはらぐ」という言葉が、第三十三願の「身心柔軟」、心身が柔らかくなるという願の本質を美しく表現しています。

 

 

境内の見どころ

 

境内に入ると正面に本堂が見えます。

阿弥陀如来を祀る本堂

阿弥陀如来を祀る本堂

 

 

「白龍大神(巳位さん)をお祀りしています、どなたさまもお参り下さい。」という案内があり、阿弥陀如来とともに白龍大神も信仰されていることが分かります。

 

 

本堂にあげていただき、ご本尊の阿弥陀如来さまにお参りさせて頂きました。

本堂内には、江戸時代の阿弥陀巡礼の木版があり、江戸時代から続く巡礼の歴史を今に伝えています。

実際に目にすると、この巡礼の長い歴史と重みを実感します。

本堂にある旧阿弥陀巡礼の木版

本堂にある江戸時代の阿弥陀巡礼の木版

 

 

戦火を越えた記憶

本堂と御本尊は大阪大空襲で焼失しましたが、元禄年間(1688~1703)の建築と伝えられている山門は現存しています。

山門の横には旧阿弥陀巡礼四十八願所の標石が残されており、戦災を乗り越えて守り続けられてきた巡礼の歴史を静かに物語っています。

阿弥陀巡礼の碑

並んで建っている新旧阿弥陀巡礼四十八願所の標石

 

 

御朱印

 

大阪新四十八願所阿弥陀巡礼の第三十三番札所としての御朱印をいただくことができます。

大阪新阿弥陀巡礼の御朱印

大阪新四十八願所阿弥陀巡礼の御朱印

 

 

アクセス

 

【所在地】大阪府大阪市天王寺区生玉寺町5-34

【交通アクセス】Osaka Metro千日前線・谷町線「谷町九丁目」駅より徒歩約5分、近鉄奈良・大阪線「大阪上本町」駅より徒歩約10分

 

 

 

参拝メモ

 

とても話しやすい女性の方がご対応くださり、巡礼についての様々なお話を伺うことができました。

本堂内にある江戸時代の阿弥陀巡礼の木版はとても貴重なもので、ガイドブックにも掲載されています。

三十五番札所である浄運寺の御朱印もこちらで頂くことができます。

 

 

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