竹林寺(ちくりんじ)は、大阪市天王寺区勝山にある浄土宗の寺院で、四天王寺から徒歩数分の場所にあります。
かつては大阪・難波千日前にあり、隣接する法善寺とともに「千日回向」を行っていたことから、地名「千日前」の由来となったお寺としても知られています。
今回私は「Osaka Metroで行く六十六花御朱印巡り」でご縁を頂き、竹林寺を参拝させて頂きました。
現代的な山門が特徴で、洗練された雰囲気が漂う美しい寺院です。
境内は、都会の喧騒を忘れさせてくれる穏やかな時間が流れています。
この記事では、竹林寺の歴史や見どころ、御朱印、そしてアクセス情報を、写真とともにご紹介します。
それでは、竹林寺へ参りましょう。
目次
竹林寺の歴史
竹林寺(ちくりんじ)は、山号を松園山(しょうえんざん)、院号を淨業院(じょうごういん)とする浄土宗の寺院です。
創建は江戸時代初期の正保2年(1645年)または慶安2年(1649年)とされ、開山は専應上人。
もとは大阪・難波千日前にあり、隣接する法善寺とともに「千日回向(せんにちえこう)」を行っていたことから、地名「千日前」の由来になったと伝えられています。
千日回向は、大坂夏の陣で戦死した人々をはじめ、多くの無縁仏を弔うために始まった法要で、江戸時代から庶民の信仰を集めてきました。
その後、都市開発や境内地の事情により、平成20年(2008年)に現在の大阪市天王寺区勝山へ移転。
新しい境内は四天王寺の東隣に位置し、静かな住宅街の中で今も地域の人々や巡礼者を迎えています。
竹林寺の見どころ
近代的な山門

山門と一体化した大師堂。弘法大師や観音菩薩、不動明王などが祀られています。
移転後の令和六年、弘法大師や観音菩薩、不動明王などを一堂におまつりする「大師堂」が、山門と一体で再建されました。
南無仏太子像(なむぶつたいしぞう)

美しい花で彩られた南無仏太子像。
現在の竹林寺隣地は、かつて飛鳥時代に聖徳太子が四天王寺を創建された時、その守護のために定めた七宮のうち、小儀神社(おぎじんじゃ)があった場所です。
そのようなご縁から太子誕生1450年を祈念して太子稚児像が安置されました。
私が訪れた時は、「OsakaMetroで行く六十六花御朱印巡り」のイベントの一環として、美しい花が奉納されていました。
南無仏太子さまの頭頂より、甘露のお水を注がせて頂きました。
本堂と阿弥陀如来

阿弥陀如来を安置する竹林寺の本堂。静かな祈りの時間が流れます。
御本尊は阿弥陀如来。
「南無阿弥陀仏とお念仏を唱える者は、必ず極楽浄土へ迎える」と言われています。
本堂の扉は静かに閉ざされており、阿弥陀如来さまのお姿を直接拝することはできませんでした。
けれども、扉の向こうにいらっしゃるその存在を思うだけで、心がすっと落ち着いていくような感覚がありました。
地蔵堂と無縁塔

出世地藏尊、夜泣地蔵尊、出生地蔵尊が並ぶ地蔵堂。

境内にある無縁塔。
昭和43年、大阪市都市計画道路拡張工事の時、千日前刑場跡より発掘された無縁佛の一部がこの塔内に埋葬されています。
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竹林寺の御朱印

「六十六花御朱印巡り」でいただいた竹林寺の花御朱印。中央には南無仏太子像の印。
今回は、「Osaka Metroで行く六十六花御朱印巡り」でご縁を頂き、参拝させて頂きました。
竹林寺の花御朱印は、右上には「元千日」、中央には「南無仏太子像」の印が押され、墨書と朱印の調和が美しく、手にした瞬間に心がふっと和らぎました。
境内の静けさと、御朱印の中央に押された南無仏太子像が重なり、まるで祈りの時間そのものが一枚の紙に宿ったような感覚でした。
また、竹林寺は「摂津国八十八箇所霊場」の第三十番札所でもあり、巡礼者にとって大切な祈りの場となっています。
通常御朱印のほか、摂津国八十八箇所の御朱印もいただけるため、複数の巡礼ルートを重ねて訪れる方も多いようです。
他にも大阪市内の美しい御朱印を巡ることができるので、ぜひまとめ記事もご覧ください。
竹林寺へのアクセス
【所在地】大阪府大阪市天王寺区勝山1丁目11-19
【最寄駅からのアクセス】
・Osaka Metro谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘駅」から徒歩約12分
・JR大阪環状線「桃谷駅」から徒歩約10分
・Osaka Metro千日前線「鶴橋駅」からも徒歩圏内
【四天王寺からの巡礼ルート】
四天王寺の東大門から出て、勝山通を少し東へ進むと竹林寺に到着します。
徒歩約3〜5分ほどの距離で、道もわかりやすく、巡礼の流れで訪れるにはぴったりの立地です。
四天王寺の御朱印と境内の見どころはこちら
⇒ 四天王寺(大阪)の御朱印巡り|ご利益・見どころ・アクセス情報まとめ
竹林寺で心を整えるひととき
竹林寺の境内には、静けさと祈りの気配がそっと息づいていました。
本堂の扉は閉ざされていて阿弥陀如来さまのお姿を拝することはできませんでしたが、その奥にいらっしゃる存在を思うだけで、心がすっと落ち着いていくような感覚がありました。
「Osaka Metroで行く六十六花御朱印巡り」の一環としていただいた花御朱印は、南無仏太子像のお姿と墨書が美しく調和し、紙の上に祈りが宿るような一枚でした。
四天王寺から徒歩数分という立地も魅力で、巡礼の流れの中でふと立ち寄るにはぴったりの場所です。
次に訪れるときには、阿弥陀さまのまなざしに出会えることを願いながら——。
静かな時間の中で、心を整えるひとときを過ごすことができました。