- 投稿 2026/05/25更新 2026/05/25
- 奈良の神社 - 奈良市

奈良県奈良市石木町に鎮座する登彌神社(とみじんじゃ)を訪れました。
奈良市西部、大和郡山市との境近くに位置するこの神社は、古くから「木嶋大明神(このしまだいみょうじん)」とも称されてきた由緒ある古社です。
豊かな杜に包まれた境内には、観光地の賑わいとは異なる静かな空気が流れ、ゆっくりと心を整えながら参拝することができました。
それでは、登彌神社へ参りましょう。
御祭神
【東本殿】
* 高皇産霊神(たかみむすびのかみ)
* 誉田別命(ほんだわけのみこと/応神天皇)
【西本殿】
* 神皇産霊神(かみむすびのかみ)
* 登美饒速日命(とみにぎはやひのみこと)
* 天児屋根命(あめのこやねのみこと)
さらに東本殿、西本殿の両サイドには、多くの神々が合祀され、あわせて二十二柱の神々が祀られています。

神武天皇ゆかりと伝わる古社の歴史
登彌神社の由緒は非常に古く、伝承によれば、神武天皇がこの地で皇祖神を祀ったことが始まりとされています。

その後、この地に居住した登美連(とみのむらじ)が、祖先神である饒速日命を祀ったことが神社の創建につながったと伝えられています。
饒速日命は物部氏の祖神として知られ、日本神話や古代史とも深く結びつく存在です。
また、登彌神社は延喜式にも記載された「式内社」であり、長い歴史の中で地域の人々の信仰を集めてきました。
木嶋大明神と呼ばれる静かな杜
境内へ足を踏み入れると、まず印象的なのは豊かな木々に囲まれた静かな空間です。
参道を歩いていると、奈良市内にいることを忘れてしまうほど穏やかな空気に包まれます。
本殿はとても優美な佇まいで、江戸〜昭和初期にかけて建立された本殿・拝殿・神饌所・手水舎・社務所の5棟が、国の登録有形文化財に登録されています。

本殿
また、「木嶋大明神」という呼び名が今も石灯籠などに残されており、地域に深く根づいた信仰の歴史を感じます。

「木嶋大明神」の石灯籠
奈良の伝統行事「筒粥祭」でも知られる神社
登彌神社では、毎年2月1日に「筒粥祭(つつかゆまつり)」が行われます。

粥を用いて一年の農作物の出来を占う伝統行事で、奈良市の無形文化財にも指定されています。
古代から続く農耕信仰が、現在まで大切に受け継がれていることを感じさせる神事です。
歴史と静けさに包まれる奈良の古社
登彌神社は、派手な観光地ではありません。しかし、古代史の記憶と地域の信仰が静かに息づく、とても印象深い神社でした。
神武天皇や饒速日命にまつわる伝承、式内社としての歴史、そして豊かな杜に包まれた静かな境内――。
奈良の歴史をゆっくり感じながら参拝したい方に、ぜひ訪れていただきたい古社です。
アクセス情報
【所在地】奈良県奈良市石木町648-1
【駐車場】あり
【電車・バスでのアクセス】
* JR奈良駅・近鉄奈良駅から奈良交通バス「奈良県総合医療センター」行きに乗車し、「奈良県総合医療センター」下車、徒歩約7分。
* 近鉄郡山駅から「若草台」行きバスで「木島(このしま)」下車、徒歩約5分。
* 近鉄橿原線、九条駅より西へ2キロメートル(徒歩20分)。
