7月の暑さの中、大阪府松原市に鎮座する我堂八幡宮を訪れました。
我堂八幡宮が、この記事を書いている前日に参拝した百舌鳥八幡宮から勧請された神社だと知ったのは、つい先ほどのこと。
まるで祈りの流れに導かれていたような、不思議な偶然に驚きました。
我堂八幡宮は厄除けの神様として地元の方々に親しまれ、開運松原六社参りの一社にも選ばれている静かな神社です。
境内では、樹齢200年を超える楠にある大きな瘤の姿が印象的で、災いを祓い福を呼ぶような力強さと優しさを感じました。
今回はその記憶を辿りながら、御朱印とともに我堂八幡宮で過ごした静かな祈りの時間を綴ってみたいと思います。
それでは、我堂八幡宮へと参りましょう。
目次
我堂八幡宮とは|松原市の厄除け神社の由緒と歴史
松原市我堂に鎮座する我堂八幡宮は、江戸時代の延宝8年(1680年)に創建された、比較的新しい歴史を持つ八幡神社です。
主祭神は応神天皇で、厄除け・開運の神様として、地域の方々に「厄除宮」と呼ばれ親しまれています。

夏越の祓に設けられた茅の輪─我堂八幡宮でも、穢れを祓い新たな気持ちで祈る風習が受け継がれています
我堂八幡宮の創建には、堺市の百舌鳥八幡宮から勧請されたという説と、京都の石清水八幡宮から勧請されたという説の両方が伝えられています。
ちなみに、百舌鳥八幡宮は石清水八幡宮の別宮とも言われており、我堂八幡宮の分霊元としても両社の説が伝えられています。
どちらにしても、八幡信仰の流れの中で祈りが受け継がれていることに変わりはなく、そのつながりに静かな感動を覚えました。
偶然にも、私はこの記事を書いている前日に百舌鳥八幡宮を訪れていたので、このつながりを知ったとき、まるで祈りに導かれていたような不思議な気持ちになりました。

朱色の拝殿は、百舌鳥八幡宮からの分霊を受けた祈りの場として静かに佇んでいます。
また、我堂八幡宮は「開運松原六社参り」の一社としても知られており、巡礼の地としても多くの参拝者が訪れます。
この六社参りは、元旦から1月15日までの期間に六社を参拝することで、1年の開運を願う松原市の恒例行事です。

開運松原六社参りの石碑─我堂八幡宮もその一社として祈りの道に名を連ねています。
私自身もこれまでに、六社のうちいくつかを訪れてきました。
それぞれの神社で感じた祈りの空気や御朱印の記録は、以下の記事にまとめていますので、よろしければご覧ください。
境内の見どころ|楠の瘤、白髭社、金刀比羅神社、稲荷社、力石の祈り
我堂八幡宮の境内は、松原市の住宅街の中にありながら静けさと清らかさに包まれた空間です。
鳥居をくぐると、まず目に入るのは朱色の美しい拝殿。
小さな境内ながらも、祈りの場としての凛とした空気が漂っています。
楠の瘤と南天|我堂八幡宮の御神木に宿る癒しと縁起
印象的だったのは、拝殿の右手にそびえる樹齢200年を超える楠の御神木。
御神木には大きな瘤があり、その凹部分に南天が育っています。

楠の御神木─自然の祈りのかたち
白髭社|楠の御神木に寄り添う猿田彦大神と長寿・健康の祈り
その御神木に寄り添うように鎮座しているのが、摂社の白髭社です。
御祭神は、道案内や導きの神として知られる猿田彦大神。
楠の幹には大きな瘤があり、そのくぼみに雨水や枯れ葉が溜まって土壌となり、そこから南天が芽吹いています。
「災い転じて福となす」とされる南天と、力強く生きる楠の姿にあやかり、白髭社では長寿や健康、人生の道を正しく歩むための加護が祈られています。
この御神木に寄り添うように鎮座する白髭社の姿は、自然と信仰が寄り添う我堂八幡宮ならではの光景です。

楠の御神木に寄り添う白髭社─猿田彦大神を祀る導きの社
金刀比羅神社|航海安全と商売繁盛を願う境内の守護社
白髭社のすぐ近くには、航海安全や商売繁盛の神様として知られる金刀比羅神社が祀られています。
御祭神は大物主神(おおものぬしのかみ)とされ、古くから海上交通の守護神として信仰されてきました。
海のない松原の地でも、商売や人生航路の安全を願う人々の祈りが、この小さな社に込められています。
境内の静かな空気の中で、金刀比羅神社は訪れる人の願いをそっと受け止めてくれているようでした。

航海安全と商売繁盛を祈る金刀比羅神社─境内の一角に静かに佇む
稲荷社|朱色の鳥居と末廣大神に込められた福の祈り
境内の奥には、朱色の鳥居が印象的な稲荷社が鎮座しています。
扁額には「末廣大神」と記されており、福が末広がりに広がるよう願う祈りが込められているようでした。
商売繁盛や五穀豊穣のご利益に加え、日々の暮らしの中で「福がかえる」ことを願う、静かな信仰の場です。
鮮やかな朱色と清らかな空気が、訪れる人の心を明るく照らしてくれます。

我堂八幡宮の末廣大神|朱色の鳥居が映える稲荷社で福を願う祈りの場
力石の祈り|願いを込めて持ち上げる松原の伝承
白髭社、金刀比羅神社、稲荷社─それぞれに異なるご利益と物語を持つ小さな社を巡った先に、境内の片隅で静かに佇む石があります。
かつて若者たちが力比べに使ったと伝わる力石です。
丸みを帯びた大きな石は、長い年月を経て表面がなめらかになっています。
「願いを込めて持ち上げると、その願いが叶う」という言い伝えが残されており、そばに立つだけで、かつての人々の真剣な祈りや挑戦の息遣いが感じられるようです。
華やかさはないけれど、そこに積み重なった時間と想いが、境内の静けさの中でひっそりと輝いていました。
御朱印と参拝エピソード|手書きの御朱印と心に残る時間
今回の参拝では、「Osaka Metroで行く六十六花御朱印巡り」の期間中だったため、特別な花御朱印を授与していただきました。
花をモチーフにした華やかなデザインは、我堂八幡宮の静かな境内に彩りを添えるよう。
丁度、この日は奉納花手水のイベントがあり、手水舎に彩りを添えていました。

「Osaka Metroで行く六十六花御朱印巡り」でいただいた花御朱印─季節の彩りが祈りに寄り添う一枚。
この花御朱印巡りについては、関西の寺社めぐりでも紹介しています。
イベントは2025年11月30日まで開催されているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
🌸大阪メトロで行く六十六花御朱印巡り
参拝のひととき|楠の瘤にまつわる祈りのエピソードと心の記録
御朱印をいただいた後、神社の方から伺ったお話が心に残っています。
拝殿の右手にそびえる楠の御神木に寄り添うように鎮座する白髭社に、癌など病を患う方が病気平癒を願って参拝に来られるそうです。
参拝後、快方に向かわれ、お礼詣りに来られる方もおられるとのこと。
その話を聞いた時、私は感動してこの場所に宿る祈りの力をすごく感じました。
境内の静けさと、御神木の力強さ、そして人の祈り。
我堂八幡宮で過ごした時間は、私にとって静かで深い癒しのひとときとなりました。
次は訪れるためのご案内へ─
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アクセス・基本情報|我堂八幡宮への行き方
【所在地】大阪府松原市天美我堂4丁目11−20
【参拝時間】9:00〜17:00
【駐車場】境内に数台駐車可。
【交通アクセス】・近鉄南大阪線「河内天美駅」から徒歩約20分(約1km)・Osaka Metro御堂筋線「北花田駅」から徒歩約15分(約1km)
まとめ|静かな祈りの記録を胸に
我堂八幡宮を訪れたのは、夏の陽射しが強かった7月のこと。
あれから2ヶ月──境内の静けさや、印象的だった楠の瘤に寄り添う白髭社の姿が今も胸に残っています。
偶然にも、この記事を書いている前日に参拝した百舌鳥八幡宮から分霊された神社だと知り、祈りの流れに導かれるような不思議な感覚を覚えました。
そして、神社の方から伺った「楠の御神木の瘤にあやかり癌などの病が快方に向かったお話」は、祈りの力と人の願いが重なる瞬間の尊さを教えてくれました。
拝受した御朱印はただの記念ではなく、こうした祈りの時間を心に刻む“心の記録”。
今回いただいた「OsakaMetroで行く六十六花御朱印巡り」の花御朱印も、境内の風景と重なり、彩りと癒しを添えてくれました。
住宅街の中に佇む我堂八幡宮は、華やかさよりも、そっと寄り添ってくれるような優しさに満ちた場所。
この記録が、どこかで誰かの心を整えるきっかけになればうれしいです。
大阪の御朱印めぐり|心を整える祈りの寺社
日々の中で、ふと立ち止まりたくなる瞬間があります。
そんな時に訪れた寺社でいただいた御朱印は、祈りの記録であり、心を整える旅のしるしでもありました。
このページでは、私が大阪で出会った“静かな祈りの場所”をまとめてご紹介します。
大阪府で頂いた御朱印まとめ~神社編~
大阪府で頂いた御朱印まとめ~お寺編~