学文路苅萱堂(和歌山県)に伝わる人魚のミイラと親子悲話

和歌山県橋本市学文路にある学文路苅萱堂(かむろかるかやどう)へ行ってきました。

ここは浄瑠璃や琵琶歌で知られる平安時代末期の親子悲話「石童丸物語」ゆかりのお寺で、石童丸が高野山に出家した父を捜しに行っている間に母、千里ノ前が学文路で亡くなり、ここが菩提寺となりました。

そんな悲話の残る学文路苅萱堂には、なんとも奇妙なミイラがあるというのです。

そのミイラとは・・?

 

 

高野街道

 

学文路苅萱堂は一時は廃寺になりかけましたが、今は西光寺が管理されています。

西光寺の駐車場に車をとめて、学文路苅萱堂まで歩きます。

 

ここは高野街道。

高野山まで出家した父・苅萱道心を探しに来た母千里ノ前と石童丸。

高野山は女人禁制だったため、母千里ノ前は学文路の地に留まり、石童丸が戻ってくるのを待つことに。
石童丸が母の元へ戻って来た時には、母はもう亡くなっていたという悲しいお話が残っています。

 

 

学文路苅萱堂

 

山の中にあるひっそりとしたお堂という印象です。

 

こちらの堂内には石童丸、苅萱道心、千里ノ前、玉屋主人(石童丸親子が宿泊した宿の主人)の座像が安置されています。

 

お隣にある西光寺に連絡をすると拝観させて頂くことができます。

堂内には石童丸、苅萱道心の関係信仰資料32点所蔵されていて、和歌山県指定有形民俗文化財に指定されています。

その中でも有名なのが「人魚のミイラ」であるそうです。

 

私が訪れた時は、丁度法要中のようで、残念ながら中を拝観することができませんでした。

 

 

人魚のミイラ

 

どんなミイラか見てみたい・・・っと思っていましたら・・お堂の上に奉納された額がありました!!

おぉ~!!

なんともグロテスク!!

顔は人間のようですが、身体は魚です。

この人魚のミイラは千里ノ前の父である朽木尚光が所持していて、千里ノ前が日頃から傍らに置いて崇拝していたと伝えられています。

人魚のミイラの出自はさらに古く、千数百年前に滋賀県の蒲生川で捕らわれたといわれていて、不老長寿や無病息災を願う人々の信仰の対象となっているようです。

見てみたいような・・見たくないような・・・(笑))

 
 

蘇鉄

 
大きな蘇鉄は石童丸が植えたものと伝えられています。

 

境内には千里ノ前のお墓もあります。

 

 

アクセス・拝観時間

 
【所在地】和歌山県橋本市学文路542
【TEL】 0736-32-2274(西光寺)
【受付時間】 9:00~17:00
【定休日 】無休
【拝観】境内自由。(堂内拝観は予約、志納)
【アクセス】公共交通:南海学文路駅→徒歩15分
車:京奈和道橋本ICから国道24号経由5km15分
【駐車場】 あり(20台)