矢田寺(矢田地蔵尊) 京都の代受苦地蔵【御朱印】

矢田寺は、白鳳4(700)年に天武・持統両天皇の勅願所として、奈良・大和郡山市にある矢田寺の別院として、建立されました。

以前は壬生にありましたが、豊臣秀吉による区画整理で、この場所に移転してきました。

ご利益は、安産・子孫繁栄・病患悉除・万霊供養。

商店街の一角にありますが、一歩境内に入りますと、とても静かで心が和む素敵なお寺でした。

御本尊は地蔵菩薩で、代受苦(だいじゅく)地蔵と呼ばれ、人々の苦しみを代わって下さるといわれています。

なぜ、矢田寺のお地蔵さまが、人々の苦しみを代わってくれるのかというと、こんな説話が残されているそうです。

 

閻魔大王といえば、死者の魂を天国に行くか地獄に行くかを決める裁判官ですが、平安時代、この閻魔大王は矢田寺の住職だった満米(まんまい)上人から菩薩戒(ぼさつかい:菩薩が受持する戒)を受けました。

その時、満米上人は閻魔大王に「地獄を見せてください!」と頼みます。

満米上人が閻魔大王から地獄を見せてもらった際、炎が煮えたぎる鉄釜の中に一人の僧侶がいることに気がつきます。

よく見ると、僧侶は鉄釜の中にいる人を助けているのです!

もちろん、鉄釜に入っている人間は現世で罪を犯した罪人です。

罪人を助けているその姿に感銘を受けた満米上人は、その僧侶の姿を仏像に刻み、ここに安置したといわれています。

また、僧侶が鉄釜から罪人を助けている様子が描かれた「矢田地獄縁起絵巻」が、矢田寺に遺されています。

 

さて、お盆の時期、京都の六道珍皇寺(ろくどうちんこうじ)では、ご先祖を迎えるために「迎え鐘」を行います。

これに対し、矢田寺では「送り鐘」が行われます。

ご先祖の霊が迷わずにあの世に帰って行けるようにと8月16日に梵鐘を撞いて魂を送ります。

この日は多くの人で賑わいます。

 

矢田寺 御朱印

 

【所在地】京都市中京区寺町通三条上ル523
【御朱印】あり。
【駐車場】なし。
【アクセス】地下鉄「市役所前駅」下車徒歩3分。市バス・京都バス「河原町三条」下車徒歩3分。京阪電車「三条」駅下車徒歩7分。