石光寺(せっこうじ)は、奈良県葛城市にある浄土宗の寺院です。
山号は慈雲山。
ご本尊は阿弥陀如来。
役行者の開山と伝えられています。
境内から出土した遺物などから飛鳥時代後期(白鳳期)の創建とみられる古寺で、中将姫伝説ゆかりのお寺です。
それでは、石光寺へと参りましょう。
當麻寺からも近いので、一緒にお参りするのもいいですね。
私は、當麻寺をお参りした後に、こちらにやってきました。
境内
駐車場は山門前にありました。
『元亨釈書』等に記載される縁起によれば、天智天皇(在位668〜671年)の時代、霊光を放つ大石が見つかり、天皇の勅命を受けてこの石に弥勒如来を彫らせ、堂を建立したのが石光寺の始まりとされています。
石に彫られた弥勒如来石仏が、1991年(平成3年)、弥勒堂改築に伴う工事の時に出土したそうです。
それが、日本最古の石仏「弥勒石仏」なのだそうで、丁度、御開帳時に行くことができました。
弥勒堂
この弥勒堂の中に日本最古の石仏「弥勒石仏」さまがいらっしゃいました。
中将姫の蓮糸曼荼羅伝説
石光寺は中将姫の蓮糸曼荼羅伝説ゆかりの地として知られています。
中将姫は伝説上の人物であるそうで、大納言藤原豊成の娘とされています。
五歳にして母を亡くされ義母に育てられますが、継子いじめにあわれ、17歳で出家し、當麻寺にこもられました。
ある日、中将姫は蓮の茎を集め、糸を採り出し、石光寺の庭に掘った井戸に糸を浸し、桜の木(役行者が植えられた木)にかけて干していたところ、乾くにしたがって5色に染まりました。
この糸で、二人の化尼(観音・勢至両菩薩の化身)の助けをかりて、一夜のうちに阿弥陀浄土図を織り上げられました。
これが「當麻曼荼羅」です。
この糸を染めた井戸を「染の井」、糸を干していた桜の木を「糸掛け桜」と伝えられ、石光寺を「染め寺」とも呼ぶようになりました。
現在も境内に残っています。
ガラスケースの中の枯れ木が、「糸掛け桜」です。
その横に「染の井」があります。
塔の心礎
創建当時(白鳳期)のものといわれる塔の心礎が遺っています。
鐘楼
石光寺はボタンの寺としても知られていて、境内にはボタン、シャクヤク、アジサイ、サクラ、サルスベリなども植えられていて、関西花の霊場札所となっています。
私が訪れた1月の下旬ごろは、もう寒牡丹が終わりかけでしたが、蠟梅の甘い香りがお庭に広がり、とてもきれいでした。
御朱印
弥勒石仏御開帳 期間限定御朱印
動画
(2020年12月撮影)
アクセス
【所在地】奈良県葛城市染野387
【御朱印】あり
【札所等】関西花の寺二十五霊場第20番
【拝観料】大人400円、小学生200円
【拝観時間】8:30 ~ 17:00、11月~3月は9:00~16:30
【駐車場】あり
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