関西の寺社めぐり

河内西国十九番札所・観音寺|東大阪の町に佇む祈りと癒しの霊場

大阪府東大阪市西岩田にある観音寺(かんのんじ)は、河内西国十九番札所として巡礼者に親しまれる真言宗の寺院です。

岩田観音」とも「岩田の観音寺」とも称されています。

宝暦5年(1755年)に尼僧・智興(ちこう)尼によって開かれました。

ご本尊は十一面観音菩薩で、弘法大師の御作と伝えられ、霊験あらたかにて全国より多くの信仰を集めています。

歴史と地域に根差した信仰が息づく観音寺は、訪れる人の心を癒してくれる霊場です。

それでは、観音寺へと参りましょう。

 

 

観音寺の歴史

 

観音寺は宝暦2年(1752年)、尼僧・智興尼が当地に庵を築いたことに始まります。

智興尼は真言宗の高僧・慈雲尊者の一番弟子であり、四天王寺で聖徳太子の法要に関わるなど、宗教儀礼の中心を担った人物でした。

慈雲尊者は戒律復興を進めた江戸中期の高僧で、河内一帯を巡回しながら人々を教化しました。

その足跡は観音寺にも残され、境内の瓦に残された梵字や山門の扁額に今も見ることができます。

以来、観音寺は地域の人々に支えられ、町の中にありながら祈りと癒しを感じられる霊場として親しまれています。

 

 

境内の見どころ

 

観音寺の境内には、弘法大師作と伝わる十一面観音菩薩を祀る本堂をはじめ、修行大師像やお願い地蔵尊など、祈りの場が点在しています。

春にはしだれ梅が大師像を彩り、訪れる人の心を和ませてくれます。

境内西北には貴之高稲荷大明神が鎮座し、地域の鎮守として信仰を集めています。

町の中にありながら、四季折々の花と祈りが調和する境内は、参拝者に静かな癒しを届けてくれる場所となっています。

 

 

山門

観音寺の山門。町の中に佇み、祈りの世界へと誘う入口。

 

 

山門に掲げられている扁額

山門の扁額は慈雲尊者の書によるもの

 

 

境内図

境内図に描かれる祈りの空間。参拝者を静かな癒しへと導きます。

 

 

本堂

十一面観音菩薩の慈悲に包まれる本堂。参拝者の祈りが重なる場。

ご本尊は十一面観音菩薩。光背に地蔵菩薩の種字が刻まれているため「十一面地蔵観音」とも呼ばれます。参拝者は厄除けや安産祈願など、日常の不安を祈りに託し、心の安らぎを得ています。

 

 

持佛位牌堂

先祖供養の祈りが息づく持佛位牌堂。静かな時間が流れる場所です。

持仏堂のご本尊「弘法大師像」は、真言宗の開祖として、永く高野山にお祀りされていたご尊像で、高野山には限らず地方での多くの人を導き救うようにと、観音寺へ移され奉納された秘仏です。

 

 

お願い地蔵尊

願いを叶えてくれる「お願い地蔵尊」

お願い地藏は、「願掛地藏」「祈り地藏」とも言われ、小さなお地蔵さんに願いを込め、願いを叶えてくれるお地蔵さんとして親しまれてきました。

 

 

修行大師像

紅葉に包まれる修行大師像

境内の弘法大師像は、春のしだれ梅や季節の花々に囲まれ、自然と祈りが調和する場となっています。

 

 

七福神像

境内に並ぶ七福神像。福徳と安らぎを授ける祈りの象徴。

 

 

十三重之塔

十三重之塔に込められた追善供養の祈り。

 

 

貴之高稲荷大明神

商売繁盛・家内安全を祈る人々に親しまれる、観音寺の稲荷社。

境内西北に鎮座する稲荷社は、地域の鎮守として信仰され、商売繁盛や家内安全を祈る人々で賑わいます。

 

 

御朱印

 

御朱印は本堂前で頂くことができます。

オリジナルの「着ぐるみ十二支地藏の御朱印帳」や、月替わり御朱印もあります。

 

河内西国霊場・第十九番札所 観音寺の御朱印

巡礼の歩みを刻む御朱印。静かな祈りと癒しの証。

 

 

アクセス

 

【所在地】大阪府東大阪市西岩田1丁目2-21

【交通アクセス】近鉄奈良線「若江岩田駅」より徒歩で約10分。

【お手洗い】あり

【駐車場】あり

河内西国霊場会公式サイト(観音寺)

 

 

 

まとめ

 

近鉄若江岩田駅から歩くこと約10分。

観音寺へ向かう途中には、歴史を感じることができる「猿棟」や「猫橋地藏」があり、観音寺までの道のりも楽しいです。

十一面観音菩薩やお願い地藏、稲荷社に込められた祈りは、町の中にありながら静かな癒しを届け、訪れる人に安心を与えてくれています。

近くには、三十八神社や石田神社もあるので、一緒にお参りしてみては如何でしょうか。

 

 

🌸 河内西国霊場三十三所一覧へ

観音寺での祈りを胸に、次の札所へと歩みを進めてみませんか。

河内西国霊場の一覧記事では、参拝した各札所の情報をまとめています。

巡礼の旅の続きに、ご活用頂ければ幸いです。

 

 

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