長栄寺(ちょうえいじ)は、大阪府東大阪市にある新真言宗総本山のお寺です。
山号は百済山(ひゃくざいざん)。
御本尊は十一面観音立像。
聖徳太子の開基と伝えられています。
その後、荒廃した長栄寺を延享元年(1744)、27歳の慈雲尊者が中興しました。
境内には、慈雲尊者が生駒山中額田谷の長尾の滝上流に隠棲され、修行の為に建てた雙龍庵(双龍庵)の遺構の一つ「禅那台」があり必見です。
それでは、長栄寺へと参りましょう。
境内
門を入ってすぐ左手に見える開山堂
手水舎
史跡 長栄寺境内
長栄寺境内は大阪府史跡に指定されています。
山門
山門をくぐると、正面に大きな本堂が見えます。
本堂へ辿り着くまでに、たくさんの方々が迎えて下さいます。
不動明王
福禄寿さま
厄除修行大師さま
本堂
本堂の前には、十一面観音さまと、長栄寺を中興された慈雲尊者の像がありました。
御本尊は木造十一面観音立像
平安時代後期の作と考えられる高さ106.6cmの檜材一木造の直立像で、普段は本堂の厨子内に秘仏として祀られています。
片脚を遊ばせ、腰をひねること通例の像容であり、左手に宝瓶、右手に錫杖を執るいわゆる長谷寺式の十一面観音像です。
本堂扁額
涅槃堂
涅槃堂の上には、大きな勝軍地蔵さま
左:阿遮羅殿 右:八幡大菩薩・三寶荒神
阿遮羅殿には両頭愛染明王さまがいらっしゃるようです。
慈雲尊者
慈雲尊者は江戸時代後期の真言宗の僧侶。
後年荒れてしまった長栄寺を延享元年(一七四四)二十七歳の慈雲尊者が中興されました。
ここで弟子たちと修行し、正法律(真言律)の復興を唱え、その道場としたと伝わります。
慈雲尊者略年譜
慈雲尊者略年譜を見ますと、「1758年(宝暦八年)、生駒の中腹長尾の滝近くに双龍庵を結ぶ。この頃より梵語研究につとめる」とあります。
慈雲尊者が生駒中腹に修行のために建てた「双龍庵」。
その遺構が境内に残っていますので、行ってみましょう。
お寺の方に場所をお伺いしましたら、ご丁寧に案内して下さいました。
「双龍庵」の遺構「長栄寺禅那台」
慈雲尊者は41歳から54歳までここに寓されました。
その後、維持するのが困難になったため、尊者ゆかりの長栄寺に移築し、「長栄寺禅那台」となりました。
禅をきわめた慈雲愛着の庵らしく、気品ただよう室内の禅室西側には五景窓といわれる円窓が大きく開いているようです。
慈雲尊者は生駒山中腹から、この円窓を通して河内平野を一望されていたのかな。
「長栄寺禅那台」は、大阪府の文化財に指定されています。
慈雲尊者のご廟は高貴寺にあります。
御朱印
河内飛鳥古寺霊場第2番 長栄寺御朱印
アクセス
【所在地】大阪府東大阪市高井田元町1丁目11-1
【札所等】河内西国霊場第33番、河内飛鳥古寺霊場第2番、河内飛鳥七福神(福禄寿)
【駐車場】あり。
【交通アクセス】近鉄奈良線「河内永和駅」、JRおおさか東線「JR河内永和駅」より徒歩約3分。
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