「OsakaMetroで行く六十六花御朱印巡り」の旅の中で、ふと心に留まった神社がありました。
それが、大阪市天王寺区に鎮座する「東高津宮(ひがしこうづぐう)」です。
街の喧騒から少し離れた場所に、静かに佇むこの神社。
過去に二度参拝に訪れた事がある大好きな神社です。
歴史ある社殿と、やさしい空気に包まれた境内は、まるで時間がゆっくり流れているかのよう。
今回の訪問では、花御朱印をいただきながら、祈りとご縁の深さに、そっと心が整っていくような感覚を味わいました。
それでは、東高津宮へ参りましょう。
目次
歴史と由緒|仁徳天皇を祀る、静かな祈りの宮
大阪市天王寺区に鎮座する東高津宮(ひがしこうづぐう)は、第十六代・仁徳天皇とその皇后・磐之姫命をお祀りする神社です。
かつて「仁徳天皇社」や「平野社」と呼ばれていたこの神社は、明治維新後に現在の社名へと改められました。
創建の詳細は不詳ながら、古くから「元高津」とも呼ばれ、仁徳天皇が都を営んだ「浪速高津の宮」とのつながりを感じさせる場所です。
昭和七年、近鉄上本町駅の拡張工事に伴い、現在の地へ遷座されました。
仁徳天皇といえば、『日本書紀』に記された「民のかまど」の逸話が有名です。
都の外に煙が立たないことを憂い、三年間課役を免除し、自らも倹約に努めたというお話。
「民が豊かになることが、私の豊かさである」と語ったその姿勢は、今もこの神社の静かな空気に息づいているように感じられます。
境内には、王仁博士を祀る王仁神社や、宇賀御魂神を祀る磐船稲荷神社などもあり、古代からの文化と祈りが重なり合う場所となっています。
境内の様子|静けさと歴史が息づく場所
近鉄上本町駅から歩いてすぐの場所に鎮座する東高津宮。
街の喧騒を抜けて鳥居をくぐると、そこには静けさに包まれた境内が広がっていました。
拝殿へと続く参道は、木々の緑にやさしく囲まれ、足を進めるごとに、心がすっと落ち着いていくような感覚に。
拝殿は落ち着いた佇まいで、どこか懐かしさを感じる造り。
東高津宮の拝殿。静かな空気に包まれた祈りの場所です。
参拝のひとときは、日常のざわめきから離れ、祈りに向き合える静かな時間でした。
境内には王仁神社(わにじんじゃ)、や磐船稲荷神社もあり、それぞれに異なる空気感と祈りのかたちが息づいています。
境内にある王仁神社。学問の神様として知られ、静かに祀られています。
磐船稲荷神社。宇賀御魂神を祀る、静かな祈りの空間です。
王仁神社や磐船稲荷神社については、以前の参拝記事に詳しく綴っています。
それぞれの祈りの空気や季節の彩りを感じた記録も、よろしければご覧ください。
▶ 過去記事|大阪・東高津宮|仁徳天皇を祀る神社でいただいた御朱印と祈りの記録
拝殿前の授与品|かわいらしい祈りのかたちに心がほころぶ
拝殿の前には、季節を感じる「夏詣」の授与品が並べられていました。
「夏詣」の提灯が風に揺れ、境内にやさしい光を添えてくれています。
蚊取り線香を入れるブタさんやかき氷、獅子みくじなど、かわいらしいおみくじたちが並び、手のひらに乗るほどの小さな祈りのかたちは、見ているだけで心がほころびます。
どれも丁寧に並べられていて、神社の方のやさしさが伝わってくるようでした。
「どれにしようかな」と迷う時間も、祈りのひとときとして心に残ります。
拝殿前に並ぶ授与品。季節の提灯とかわいいおみくじが、祈りの空間をやさしく彩っていました。
花御朱印の紹介|季節の彩りと祈りのかたち
今回いただいた御朱印は、「OsakaMetroで行く六十六花御朱印巡り」の一環で頂いた花御朱印。
力強くも美しい筆文字と花が重なり合い、祈りのかたちが一枚の紙に宿っているようでした。
御朱印を手にした瞬間、ふと心が整うような感覚があり、「また再びこの場所に来られてよかった」と、そっと胸の奥で思いました。
御朱印は、その時々の祈りの時間が込められているようで、素敵だなと感じます。
「OsakaMetroで行く六十六花御朱印巡り」で頂いた花御朱印。やさしい色合いと筆文字が重なり合い、祈りのかたちがそっと紙に宿っていました。
ご縁と気づき|静かな祈りがくれたもの
東高津宮を訪れたこの日、街の喧騒から離れて、静かな祈りの空気に包まれる時間を過ごしました。
御朱印をいただいた瞬間、ただ紙を受け取るだけではない、目に見えないご縁のようなものを感じたのです。
仁徳天皇の「民のかまど」の逸話にふれることで、「誰かの幸せを願うことが、自分の心を整えることにつながる」――そんな祈りの本質に気づかされました。
境内の静けさ、やさしい筆文字、季節の花の彩り。
それらが重なり合って、心の奥にそっと響くような感覚がありました。
再びこの場所に導かれたことも、花御朱印に出会えたことも、すべてが「今の私に必要だった祈り」だったのかもしれません。
記事の締めくくり|祈りの旅は、静かに続いていく
東高津宮でいただいた花御朱印は、ただ美しいだけでなく、その場の空気や祈りの時間までも、そっと紙に宿っているようでした。
静かな境内で過ごしたひとときは、日々の忙しさの中で忘れかけていた「整える時間」を思い出させてくれます。
このご縁に導かれて再び訪れたこと、そして、祈りのかたちに触れられたことに、心から感謝しています。
花御朱印巡りの旅は、まだまだ続きます。
次はどんな神社で、どんな祈りと出会えるのでしょうか。
▶ OsakaMetroで行く六十六花御朱印巡りまとめはこちら
アクセス|東高津宮への道のり
東高津宮は、大阪市天王寺区にある静かな神社です。
近鉄「大阪上本町駅」から徒歩約5分、OsakaMetro「谷町九丁目駅」からも徒歩圏内で、
街中にありながら、ふっと静けさに包まれる場所です。
【所在地】〒543-0021 大阪府大阪市天王寺区東高津町9-19
【駐車場】なし(近隣にコインパーキングあり)
【最寄り駅】・近鉄「大阪上本町駅」より徒歩約5分・OsakaMetro「谷町九丁目駅」より徒歩約7分。
詳しいご案内は、東高津宮の公式サイトをご覧ください。