川原寺(かわはらでら)は、奈良県高市郡明日香村にあった仏教寺院です。
現在は、川原寺跡として、国の史跡に指定されています。
飛鳥寺(法興寺)・薬師寺・大官大寺(大安寺)と並び「飛鳥の四大寺」の一つに数えられた大寺院でありましたが、中世以降衰微し廃寺となりました。
現在は、川原寺中金堂跡に弘福寺(ぐふくじ)が江戸時代中期に建立され、現在に至っています。
では、川原寺跡と弘福寺へとご案内しましょう。
境内
川原寺は、7世紀半ば天智天皇の時代に建立されたものと思われますが「日本書紀」にはこの寺の創建に関する記述がありません。
諸説ある中、天武天皇2年(673年)以前の創建であることは確かであると思われ、天智天皇が母の斉明天皇(皇極天皇重祚)が営んだ川原宮の跡地に創建したとする説が有力となっています。
創建の時期についてはさまざまな説があり、「謎の大寺」とも言われています。
当時の天皇家には数代に亘って重用され、673年には川原寺で日本初の写経が行われたと記録されています。
川原寺跡
昭和32年~34年(1957~1959年)に発掘調査が実施されました。
丁度、この辺りが川原寺中門跡になるようです。
先に川原寺の伽藍配置を見てみましょう。
すごく大きな寺院であったことがわかりますね。
川原寺の法灯を継ぐ弘福寺は、川原寺の伽藍配置から見ますと中金堂跡に建っていました。
門前にある社号標には、「弘法大師ゆかりの寺」とあります。
9世紀に入りますと川原寺は弘法大師が朝廷より賜り、京都と高野山を往復する際の宿舎として使われていたようです。
弘法大師もここに来られていたんですね。
本堂
本堂には御本尊である十一面観音像と、弘法大師作と伝わる持国天(重文)と多聞天、加えて十二神将が祀られています。
弘福寺境内には、川原寺中金堂の礎石が残っています。
他に類例のない「めのう(現在の大理石)」でとても珍しいものだそうです。
住職さんからお話をお伺いしたのですが、大理石は大変高価な石であったので、礎石として使用するというのは大変な費用が必要だったのではないかと仰っておられました。
頂いた資料によりますと、境内周辺に28個の大理石があるそうですよ。
「触ってパワーを頂いて下さい。」と仰って頂きましたので、石に触れパワーを頂いてきました。
自宅に帰りこの礎石について調べてみますと、本居宣長もこの礎石を見たとか!(@_@)
川原寺の門前からは橘寺が見えます。
動画
令和4年(2022)11月に再訪し、動画撮影してきました。
御朱印
アクセス
【所在地】奈良県明日香村川原1109
【御朱印】あり。
【駐車場】なし。近くに有料駐車場あり。
【拝観料】本堂拝観300円
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