往生院(おうじょういん)は大阪府泉南市にある真言宗御室派の仏教寺院です。
山号は明王山。
ご本尊は十一面観世音菩薩。
680年、天武天皇の勅命により国家鎮護の為に道昭(どうしょう)が創立しました。
道昭が創立したこの寺院は、五丁四方の広大な境内を持ち、飛鳥寺様式の伽藍配置であったようです。
1585年(天正13年)、豊臣秀吉の根来攻めで、伽藍はほとんど焼失してしまいました。
その後、文禄の太閤検地で境内は404坪となり浄土宗に改宗されましたが、1681年(元禄4年)、真言宗に戻り、京都仁和寺は本山となりました。
では、熊野街道沿いに佇む往生院へとご案内しましょう。
熊野街道沿いの静かな場所に、往生院はありました。
山門
御由緒書きによりますと、こちらの寺院を創建された道昭は、朝鮮百済から渡来した船氏の出身で、遣唐使として唐の都、長安に留学し、玄奘三蔵について八年間勉強され、帰朝後、飛鳥元興寺の禅院で法相宗を開かれた僧侶です。
玄奘三蔵と言えば、頭に浮かんでくるのが西遊記に出てくる三蔵法師です。
道昭は、玄奘三蔵の弟子だったんですね。
本堂
御本尊は大日如来。阿弥陀仏像(室町時代)が安置されています。
観音堂
観音堂の前にはご真言が書かれていました。
ご真言が書かれているのは大変有難いですね。
薬師堂
こちらも、ご真言が書かれていました。
「オンコロコロ センダリ マトウギソワカ」。
碑には、「白鳳(西暦679年)第八年八月廿八日 道昭 誌」と書いてあります。
反射してわかりにくいのですが、この中に、随分と歴史を感じる石仏がありました。
長方形の石に表裏2面に仏さまが刻まれているようです。
仏さまのお顔は、もうほとんどよくわからない状態でした。
道昭の建立を確認した鎌倉時代の石仏と言われています。
【所在地】大阪府泉南市信達牧野1248
【御朱印】あり
【駐車場】未確認
【札所】和泉西国三十三箇所14番
【アクセス】阪和線 和泉砂川駅 徒歩8分