善福寺(ぜんぷくじ)は奈良県吉野郡吉野町吉野山にある高野山真言宗のお寺です。
開基は役行者、創建は白鳳時代と伝えられています。
御本尊は瑠璃光薬師如来。
善福寺は記紀にも登場する歴史ある場所に建っています。
それでは、古の香りが漂う善福寺へと参りましょう。
神武天皇が東征したおり、八咫烏(やたがらす)と吉野の首長であった井光大神(いびかりおおかみ)がその道案内を勤めた、という伝説があります。
その井光大神の住居があったという地に、善福寺は建っています。
善福寺山門前の紅葉がとても綺麗でした。
境内
山門
山号は井光山
山門前でかわいいお掃除小僧さんが迎えて下さいました♪
本堂
ご住職さまが「本堂へどうぞ~!」って声をかけて下さり、本堂へ上げさせて頂きました。
御本尊は瑠璃光薬師如来(るりこうやくしにょらい)。
本堂内には、蔵王権現像や役行者像も安置されていました。
訪れた時は、吉野山寺宝めぐりの特別公開期間中でしたので、井光権現さまを拝することができました。
井光井戸跡
善福寺で一番楽しみにしていたのが井光大神が現れたと伝えられている井戸跡です。
御朱印を頂く際にご住職さまに井戸の場所を聞くと、案内して下さいました。
庫裡の裏の谷底にあるようです。
庫裡の裏手からのぞきこむとこんな感じで、赤〇印の辺りが井戸跡です。
「写真撮ってもいいですか?」っとお聞きすると、「井戸の所まで行ってもいいですよ!!」って言って下さり、杖を貸して下さいました。
谷底の真ん中位まで下りて行くと、柵があり、扉を開けてさらに下りて行きます。
振り返るとこんな感じ。
井戸跡に到着です。
この井戸跡は神武天皇東征の際に、八咫カラスと共に宇陀まで道案をしたという吉野首の祖、井光(井氷鹿)が出現した跡と伝えられています。
古事記には、井氷鹿は光る井戸から出て来た上に、尾のある人(有尾人)であったとされ、天皇がお前は誰かと問うと、「私は国津神で、名を井氷鹿」と答え、吉野首等(よしののおびとら)の祖なりと記されています。
井光神社
善福寺を出てしばらく歩くと、喜蔵院近くに「井光神社」がありました。
他にもあった!井光(井氷鹿)の井戸跡伝承地
この記事を書くにあたり、井氷鹿(いひか)について調べてみますと、「井氷鹿の井戸跡」の伝承地がもうひとつ吉野の地にあるようです。
そこは現在も「奈良県吉野郡川上村井光」という地名が残っており「井氷鹿の井戸跡」も存在するようです。
御朱印
拝観・札所
拝観無料。
役行者霊蹟礼所。
アクセス
近鉄吉野線の終点「吉野駅」下車後、吉野山ロープウェイに乗り換え「吉野山駅」下車。
バスにて「上千本口」下車後、徒歩約10分。
「桜本坊」の前の道を斜めに入り、小さな下り坂を下ると善福寺です。
駐車場
なし。
「吉野山観光駐車場」利用可。
「吉野山観光駐車場」より善福寺まで徒歩約40分位です。
周辺地図