新薬師寺(しんやくしじ)は、奈良市高畑町にある華厳宗の寺院です。
ご本尊は薬師如来。
新薬師寺の山号は日輪山(古代の寺院には山号はないので後世に付したもの)。
開基は光明皇后。
新薬師寺は春日大社の二の鳥居の南方にあり、東大寺付近の喧騒から離れた静かで落ち着いた街並みの中にあります。
それでは、美しい佇まいの新薬師寺へと参りましょう。
縁起と歴史
新薬師寺は天平十九年(747)三月、聖武天皇の病気平癒を祈って、光明皇后によって創建されました。
新薬師寺は当初、香山薬師寺、香薬寺とも呼ばれ、南都十大寺の1つに数えられる大変栄えた寺院でした。
栄えた頃には桁行九間という金堂があり、堂内には薬師如来が七躰、それぞれに脇侍の菩薩像が二躰ずつ、そして十二神将像が祀られていて、まるで浄土のようであったそうです。
金堂は平安時代、応和二年(962)の暴風によって倒壊してしまい、当時の仏像は現存していません。
鎌倉時代に南門、地蔵堂、鐘楼が建立されて、奈良時代の建物である本堂を中心に今の新薬師寺が整いました。
境内
まずは境内図をご紹介♪
(新薬師寺パンフレットより)
拝観料(600円)を納め、南門(赤〇印)より境内へ入ります。
石仏
南門から入るとすぐ左手に石仏群がありました。
どれもすごく歴史がありそうな石仏です。
一番小さな地蔵菩薩(写真左から二番目・鎌倉時代)は、光背の上部に六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天)の姿が刻まれていて、脇侍には冥界を司る十王を配しています。
本堂(国宝)
この建物は創建当初の金堂ではなく、境内の東の標高の高い所にあった唯一残ったお堂で、奈良時代の建造物として大変貴重な建物です。
本堂の中心には、御本尊である薬師如来坐像。
その周りを囲むように十二神将が外向きに立っています。
日本で最古最大の十二神将像です。
すごい迫力です!!
初めて見る新薬師寺の十二神将像の大きさに圧倒されました!!
十二神将とは薬師如来の世界とそれを信仰する人々を守る大将で、1体に7000の眷属を率いると言われています。
また十二の方向を守っていることから、干支(十二支)の守護神としても信仰されています。
ご自身の干支の守護神を見つけるのも楽しいですね。
鐘楼(鎌倉時代・重文)
袴腰(はかまごし)が白漆喰塗りの建物で、中の釣鐘(重文)は天平時代のもので、元は元興寺のものだったとも伝えられています。
地蔵堂(鎌倉時代・重文)
十一面観音菩薩立像(鎌倉時代)、薬師如来立像(室町時代)、地蔵菩薩立像(南北朝時代)が安置されています。
稲荷社
竜王社
写真はないのですが、境内から少し離れた所に香薬師堂があります。
私は全く気付いておらず・・行けてないのです(´;ω;`)ウッ…
境内図青〇のところです。
こちらのお堂は通常非公開であるそうです。
中には「裸形のおたま地蔵」さまが安置されています。
香薬師像の右手
新薬師寺には盗難にあって現在も行方不明になっている香薬師像があることを御存知でしょうか?
法隆寺「夢違観音」、深大寺「釈迦如来倚像」と並び「白鳳三仏」の一つとしても知られています。
香薬師さまは高さ75cmの小さな金銅仏の飛鳥時代のもので、何度か盗難にあっては戻ってこられたそうですが、昭和18年に3度目の盗難にあい、現在も行方不明のままです。
その行方不明になっている香薬師像の右手だけが見つかっています。
詳しくはコチラからご覧下さい。
2018年には新薬師寺で香薬師さまの右手の特別公開もあったようです。
また、是非特別公開して欲しいですね。
香薬師像は幸いにも実物を型取っていたため、現在はレプリカが本堂に安置されています。
今も行方不明になっている香薬師さまが、一日も早く戻って来られるよう願っています。
御朱印
大和十三佛霊場七番札所 新薬師寺御朱印
【所在地】奈良県奈良市高畑町1352
【御朱印】あり。
【札所】西国薬師四十九霊場第6番・大和十三仏霊場第7番・大和北部八十八ヶ所霊場第8番。
【駐車場】なし。
【アクセス】JR奈良駅・近鉄奈良駅から市内循環バス外回りで「破石町」下車、山手へ徒歩15分。
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