小坂神社(こさかじんじゃ)は、大阪府東大阪市下小阪に鎮座されています。
御祭神は、天水分神(あめのみくまりのかみ)、国水分神(くにのみくまりのかみ)、受鬘神(うけのりのかみ)。
小坂神社略記によりますと、天正二十年(1592)、十八軒の家がこの原野開拓に当たり、水利至便、五穀豊穣を祈願する為、小坂神社を奉祀したのが小坂神社の起こりとされています。
それでは、小坂神社へとご案内しましょう。
正二十年(1592)、十八軒の家がこのあたりの原野を開拓しましたが、水の便が余りよくありませんでした。
そこで、水利至便(すいりしべん)、五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈願するために、大和吉野の水分大神(みくまりおおかみ)と、振袖山の受鬘神(うけのりのかみ)を奉祀したのが小坂神社の始まりです。
大和吉野の水分大神とは、奈良県吉野山に鎮座される吉野水分神社、振袖山の受鬘神とは、同じく奈良県吉野山に鎮座される勝手神社の勝手明神のことでしょう。
この地は若江郡に属していて北小坂村と称していましたが、寛永十年(1633)正月、下小坂村と改称しました。
拝殿
水分大神の「水分(みくまり)」とは、水を分け与えるという意味で、灌漑を司る神様の名前です。
後に言い回しが変わり、「みくまり」が「みこもり(身籠)」となり、さらに「こもり(籠)」となりました。
「こもり(籠)」は、妊婦の意味にも通じる為、小坂地域の人々は「小坂こもり宮」と呼び、安産・子授けの神様として崇敬しました。
もとは、小守勝手明神(こもりかってみょうじん)といわれていましたが、明治5年に小坂神社と改称されました。
本殿
昔、この付近には、旧大和川支流の自然堤防の東側に後背湿地が広がっていて、神社境内には葦が密生していたと伝えられています。
これらの葦はすべて片葉であったそうです.
上記の絵のような「片葉の葦(アシ)」が密生していたのですね。
この葦は、諸病に効能があると言い伝えられていました。
「花の下坂名所が御座る、宮に片葉の葦御座る」という俗揺があるようですが、ここで歌われているのは、小坂神社のことです。
神社境内の前で舞っていた蝶々
小坂神社 御朱印
【所在地】大阪府東大阪市下小阪3-5-43
【御朱印】あり。
【駐車場】未確認。
【アクセス】近鉄奈良線・河内小阪駅より南東徒歩約10分
すぐ近く(徒歩2~3分位)に「司馬遼太郎記念館」があります。