鹽竈神社(しおがまじんじゃ)は、和歌山県和歌山市和歌浦に鎮座する神社です。
国名勝「和歌の浦」にあり、安産・子授けの神様として地元の方々から「しおがまさん」と親しまれています。
祠は結晶片岩でできた鏡山の洞窟の中にあり、神秘的な雰囲気のある神社でした。
それでは、鹽竈神社へと参りましょう。
鹽竈神社の案内版に、神社周辺の昔の景色を見る事ができました。
写真を拡大してみますね。
江戸時代の絵師桑山玉洲(くわやまぎょくしゅう)が描いた「明光浦十覧冊」興の窟の景色です。
今から、200年以上前はこのような景色だったんですね。
こちらは明治~大正時代の様子。
そして、こちらが現在の鹽竈神社の洞窟です。
和歌の浦の入江にあって、かつて「輿の窟(こしのいわや)」と呼ばれた岩穴に鎮座しておられます。
「輿の窟」と呼ばれた理由は、毎年9月16日、天野丹生明神(現在の丹生都比売神社)の御神輿が玉津島社へ渡御される「浜降り神事」があり、その際に、先ずこの「輿の窟」へ御神輿が置かれたことから、「輿の窟」と呼ばれるようになったようです。
また、この窟に対する信仰は、浜降り神事に限られたものだけではなく、江戸時代後期には、「しおかま」の名で信仰の対象になっていました。
江戸時代の和歌山では「一に権現(紀州東照宮)、二に玉津島、三に下り松、四に塩竃よ」と歌われ、塩田の塩を焼く釜からこの名が付けられたと伝えられています。
ご祭神は、鹽槌翁尊(しおづちのおじのみこと)・祓戸大神四座(はらへどのおおかみよざ)
鹽槌翁尊は安産・子授け、海の幸の神様、航海安全の神様です。
祓戸大神四座(はらへどのおおかみよざ)は、瀬織津比売神(せおりつひめのかみ)、速開都比売神(はやあきつひめのかみ)、速佐須良比売神(はやさすらひめのかみ)、気吹戸主神(いぶきどぬしのかみ)の四座で、すべての罪汚れを祓い清める神様です。
もとは玉津島社の祓い所であったようです。
洞窟の入口にすごく大きな松の木の根がありました。
とても大きくてうねうねしていて、まるで生きているようです。
2012年6月13日、樹齢200年以上ある高さ20メートルの大きな松の木が突然倒れ、今ではその松の根だけが残っているのだとか。
松の木はの地中にはう根は深く、絡み合うような姿が万物の根源とされる陰陽や夫婦のむつまじい和合に通じることから、「和合の松」と呼ばれるようになりました。
今も残された松の根に手を当て、子授け、安産を願う女性も少なくないそうで、「塩竈さんのおかげで子どもを授かった」「無事に元気な赤ちゃんが生まれた」と、神社には参拝した女性たちから喜びの声が多く寄せられているようです。
幸いなことに、倒れた木の枝から挿し木による増殖が成功し、元の根のそばに植樹されているようです。
太い根をはわすには100年程かかるそうです。
大きく成長してくれるのが楽しみですね。
小高い丘には、山部赤人(やまべのあかひと)の有名な歌碑(写真右)がありました。
「若の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして鶴鳴き渡る」
山部赤人は万葉集を代表する歌人で、柿本人麻呂とともに歌聖と呼ばれ称えられています。
鹽竈神社(赤〇)から徒歩2~3分程歩くと玉津島神社があります。
鹽竈神社御朱印
御朱印は玉津島神社で拝受しました。
【所在地】和歌山県和歌山市和歌浦中3-4-25
【御朱印】あり。
【駐車場】あり。(玉津島神社)
【アクセス】和歌山バス『玉津島神社前』下車すぐ。